善勝寺だより 第119号令和4年6月27日発行発行責任者 明見弘道 (2ページ) |
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東光山ミニ法話
『舎利礼文』 その5
舎利礼文(しゃりらいもん) (全文)
一心頂礼(いっしんちょうらい) 万徳円満(まんとくえんまん) 釈迦如来(しゃかにょらい) |
身心舎利(しんじんしゃり) 本地法身(ほんじほっしん) 法界塔婆(ほっかいとうば) |
我等礼敬(がとうらいきょう) 為我現身(いがげんしん) 入我我入(にゅうががにゅう) |
仏加持故(ぶつがじこ) 我証菩提(がしょうぼだい) 以仏神力(いぶつじんりき) |
利益衆生(りやくしゅうじょう) 発菩提心(はつぼだいしん) 修菩薩行(しゅうぼさつぎょう) |
同入円寂(どうにゅうえんじゃく) 平等大智(びょうどうだいち) 今将頂礼(こんしょうちょうらい) |
【意訳】(後半)
仏の大いなるお心によって、私たちは悟りを得ることができ、仏の素晴らしい力によって、世の人々はすべて幸せへと導かれます。菩提心(ぼだいしん)を起こし、未来の仏としてなすべきことをなし、お釈迦さまと同じ円満なる安らぎの境地に入りましょう。誰にでも等しく具(そな)わる仏の智慧を、今まさに礼拝いたします。
平等大智(びょうどうだいち)
(仏さまの大いなる智慧は平等)
一心になることによって、仏さまと一つになることができると述べてまいりました。
『舎利礼文』の最後にある「平等大智」も、よく考えてみますと、「仏さまの大いなる智慧は平等である」と読み解くことができます。
平等であるということはどんな人にも具(そな)わっているということです。本当は私たち全員に具わっているのですが、普段はそれが隠れているのでしょう。隠れた仏さまに姿を現していただき、仏さまと一つになる方法が「一心頂礼」であり「今将頂礼」です。
今こそ、一心に礼拝いたしましょう。
(転法舎「仏さまと一つになるお経」より抜粋させて頂きました)
(完) |
よくある質問
焼香のこと
*「焼香には何の意味がありますか?」
*「焼香は何回するのが本当ですか?」
香りのお供え物
線香を立てたり、焼香することは、仏様や亡き人に花やお茶お菓子などを手向(たむけ)けることと同じで、香りをお供えすることです。
人類は昔から体臭や悪臭を除くためによい香りを放つ草木などが用いられてきました。西洋では体や衣服に付ける香水が発達しましたが、東洋では焼いて勲(くん)じる香が発達しました。
東南アジアには沈香(じんこう)というとても香りのよい香木が採れました。沈香の中でも最も質のよい伽羅(きゃら)はとても高価なものです。
香の功徳
最近は、精油や植物由来の芳香による精神療法の「アロマテラピー」はご存じかと思いますが、香りにはいろいろな効用があります。香の十コという言葉もありますが、感覚を研ぎ澄ます・心身を清浄(きよらか)にする・睡眠(ねむり)を覚(さ)ます・静けさの中に安らぎを得る、などです。
お寺では、大切な客人をお迎えするときは、前もって床の間に上等な線香を焚いてお待ちします。
香は仏の使い
仏典には、説法を願って建物の高いところで焼香したところ、その香煙は風にのってお釈迦さまに届き、香煙に込められた願いを知ったお釈迦さまは、早速法を説かれたと書かれています。
このことから香は仏の使いとされ、仏事に使われるようになったと考えられます。
焼香の仕方
地域や宗派によって異なりますが。
善勝寺では、合掌礼拝の後、右手で香をつまみ一回焼香し、さらに合掌し深々と礼拝して頂いております。
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