善勝寺だより 第79号平成24年6月26日発行発行責任者 明見弘道 (2ページ) |
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東光山ミニ法話
『法句経(ダンマパダ)』その6[75] 現世利益(利得)に達する道と、涅槃(安らぎ)に達する道と、全く相反する道がある。
このことわりを知っている仏弟子たちは、名誉を喜ばないほうがよい。
そして離欲の道を歩めばよい。
今回は、スリランカ仏教会長老
A・スマナサーラ師の著書「原訳法句経」から、引用させて頂きます。
この箇所には、『ものに依存しない生き方』という副タイトルがついています。
「建物が必要だ。道路が必要だ。飛行場が必要だ」「エネルギーがたくさん必要だ。原発も必要だ」「もっと経済成長が必要だ」……。私たちの社会は、作っては壊し、作っては壊しというサイクルになっています。そのサイクルをやめたら、駄目になってしまうと思い込んでいます。しかしそれは自己破壊のサイクルで、行き着くところのは、地球の破壊です。
私たちは「あれが欲しい、これが欲しい」「まだ足りない」と走りまわっています。一時的に欲を満たしても、またさるなる欲がでてきます。それでは、いつまでたっても満たされることはありません。ずっと燃え続ける炎ようなものです。
わたしたちは、いつも「貧(とん)・瞋(じん)・痴(ち)」という煩悩の炎で燃えつづけているのです。欲しいものをあげるというのは燃料を与えていることになります。炎は消えることなくさらに燃えて、さらに燃料を求めることになるのです。だから、燃料がいくらあっても足りないのです。わたしたちの欲が尽きることはありません。
すべての問題は心にあります。お釈迦様は、この世の中は「利得に達する道」で、それは「苦しみの道」であると言われます。だから「永遠の安らぎに達する道」を説かれたのです。
利得を追っていたのでは、いつまでたっても心は平安になりません。追えば追うほど、安らぎがなくなってしまいます。ものやかたちに依存した生き方は、車に荷物を積めば積むほど、重たくなって動けなくなるようなものです。ものだけではなく財産や地位や肩書きなども同じです。ふえればふえるほど、息苦しくなるのです。
なにものにも依存しない生き方こそが、「安らぎに至る道」なのです。
(つづく)
花園会のコーナー
一ページに書きました推進テーマ
「行ずる」の続きですが、全国の花園会員三十五万所帯みんなで実践しましょうというのが次の六項目です。
一、省エネ。二、節電。三、節油。
去年から皆さん心掛けておられることと思いますが、去年の計画停電のことやガソリンを求めて並んだことを思い出して、引き続き電気・ガソリンなど、むだのないよう心掛けましょう。
四、リサイクル。古くても使えるものはたくさんあります。「もったいない」精神を発揮しましょう。
五、節水。有り難いことに日本は水が豊富な国ですが、毎日遠い井戸まで水を汲みに行っている人が多くいることを思い、水の尊さを忘れないようにして、節水を心掛けましょう。
六、いのちを生かす。私たちは動植物の命をいただいて生きています。感謝して食事をいただくと同時に、地球環境をこれ以上悪化させないことが、数多くの生命を守っていくことにつながります。
これらをみんなで実行することこそが、報恩の行であります。
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