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第86号 春彼岸号(平成26年3月7日発行)

善勝寺だより 第86号
平成26年3月7日発行
発行責任者 明見弘道
2月の大雪にはびっくりでしたね。2回とも週末でしたので当日法事される方の墓まではと、雪かきに追われました。
2度の大雪にも枝が折れることなく耐えて、紅梅に続き白梅も開花しました。その元にはスイセンが咲いています。
檀信徒の皆様に於かれましては如何お過ごしでしょうか。

先日、湯川れい子(音楽評論家)さんの講演集「音楽は副作用のない良薬です」を読んでいましたら、「音楽療法」のことがありました。音楽はリズムと音色それにメロディで成り立っていますが、まずリズムが心と身体の調子をテンポよく調え、そして次に音色の響きや音程が、人体に本来備わっている自然治癒力を高めてくれると考えられるそうです。そこにメロディとハーモニーが効果的に作用することで音楽療法の効能は完全なものになるというのです。

音楽療法が世間に認知されたのは最近のことのようですが、実はとっくの昔から日常の生活の中に取り入れていました。盆踊り阿波踊りなどがそうです。お寺で木魚をたたいてお経を読む。(リズム)、チーンとかチリーン・チリーンなど鐘の音(音色)、声明・読経・ご詠歌はメロディでありハーモニーであります。
もちろん、モーツァルト・ショパンなども良いのですが、それぞれの民族にはDNAに染み付いた音色があるようです。
アルプスにはアルプスの音、チベット・インドなどそれぞれその風土にしみこんだ音色があります。日本ではお寺の梵鐘がそうです。湯川さんも、日本の風土に根付いた、とても心に染みいる素敵な音色、と表現されています。

善勝寺では、お墓参りのときなど自由に梵鐘を撞くことができます。ご両親ご先祖様に対してメッセージをこめて撞いて頂きたく存じます。
「ゴオーン(ご恩)は、いつまでも忘れません」と。

弘道

ご案内

春季彼岸会と法話会

例年のごとく、お彼岸の中日(春分の日)に彼岸法要を厳修致します。
尚、法要後に法話会も開催しますので、檀信徒の皆様、ご近所お誘い合わせのうえ、多数ご来山下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

3月21日(金曜日)
午後2時より、彼岸法要
午後2寺40分から、住職の法話
午後3時終了予定
*ご供養料、塔婆料(1基3,000円)は玄関受付にて役員にお渡し願います。
また、彼岸の塔婆を建てられる方は、お早めに電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

東光山ミニ法話

『法句経(ダンマパダ)』その13

精進(はげみ)こそ不死の道
いそしみはげむ者は
死することなく
放逸(おこたり)にふける者は
生命(いのち)ありとも
すでに死せるにひとし
21(友松圓諦訳)

昨年の仏教講演会の折頂いた、講師「青山俊董師」のご本裏表紙に、『精進こそ不死の道 俊董』とサインしてありました。この言葉はどこに出てくるのかなと思いつつ読んでいましたら、上の句に出会うことができました。
精進(しようじん)は「はげみ」、放逸(ほういつ)は「おこたり」とルビがあります。

以下、前回同様に俊董師の著書より、抜粋・参照させて頂きました。
{食べて寝て、なんとなく日を暮らして一生を終わる。そんな生き方なら犬や猫だってやっている。せっかく人間としての命をいただいたのだから、人間らしい生き方をしたい。一日生きたら一日生きただけの甲斐ある生き方をしたい。それができたときはじめて、「生き得たり」と言えるのだという。それができたとき、死しても死なない永遠の命を生き得たことになるのであり、それができない人は生きながらにして死骸と化しているのと同じだというのである。}

一滴一滴の雫(しずく)が大きな石に穴をあけるように、一途に努力すれば成し遂げられないことはない。また、火をおこすに、途中で怠ると熱は冷め、火を得ることはできない。このように、怠りなく相続することを精進という。

(遺教経)

しかし、何でも怠りなく一生懸命努力すれば「精進」と言うかといえば、そうではありません。スリや泥棒が腕を磨くといった不法なことはもとより、私利私欲のための努力は、精進とはいいません。
今自分のおかれた立場で、最善のこと、なすべきことを怠りなく続けることが「精進」です。

仏教童話に次のような話があります。
「山火事がおきた。鳥も獣も一目散に逃げた。その中で只一羽の小鳥がその山火事を消そうとして、必死になって自分の羽を谷川の水に浸しては火の上へ行ってその雫を払った。くたびれもうけで何の役にも立たないと、他の鳥たちはその愚を笑ったが、その小鳥は一途にやり続けた。小鳥にできることはそれしかなかったから。天の神はこの小鳥の心に感じ、大雨を降らせて火を消したという。」
私たち一人ひとりのいのちには限りがあります。大きな目標を達するには、時間も必要でしょう。何度も何度も失敗をするでしょう。病気やけがもつきものです。結果を見ぬまま命尽きることもあります。

俊董師の他の本には、「百不当一老」と書かれてありました。これは道元禅師の言葉で、弓矢のたとえをもって、修行のあり方を示された言葉だと知りました。
弓を始めてから今まで、矢が的に当たることはなかったが、101回目にしてようやく的に当てることができた。今の一当はこれまでの百不当の力である。と言った意味であります。
これは、最後の一当がすばらしいことで、それまでの百不当は価値のないものと思いがちですが、そうではありません。百不当の一つひとつの価値は、最後の一当の価値と同じであるということです。
たとえ、千不当・万不当であっても精進することが大切であるという教えであります。

〈つづく〉

護持費納入のお礼とお願い

平成26年度分護持費の納入をお願い致しましたところ、早速にお納め頂き恐縮に存じます。
尚、当寺の檀徒の方、当寺に墓地、(合同墓地を除く)を取得されておられる檀徒の方、また、本堂内にご遺骨を預けておられる方で、護持費がまだ未納の方は3月末日までには必ず納入下さいますようお願いいたします。
納入義務のある方で未納がある場合は、6月頃督促状を郵送する予定です。
また、過年度の護持費が未納の方は、過年度分と合計した金額を納入して頂きますようお願いします。
護持費は次年度分を3月末日までに納入すること」という規則に従って毎年期日までに納入下さいますようお願い致します。

尚、当寺よりの領収書は発行致しておりません、郵便局での受領書を一年間以上保管して頂きますよう重ねてお願い申し上げます。

振替用紙を紛失したので送ってほしいという方もありますが、再送致しません。振替用紙は郵便局の窓口にもあります。但しこの場合の振り込み手数料は納入者側になります。

役員一同
振替口座番号は00500-8-60592 善勝寺

バスの時刻表が改訂されます

鴻巣市コミュニティーバス『フラワー号』の発着時刻が、四月一日より改訂されます。今まで解りづらいと指摘されていました、共和コース・広田コースという言い方を改め、以前のように「川里循環コース」右回り・左回りとなります。本数も増え多少便利になります。鴻巣駅から善勝寺へは、左回りですので間違いのないようにご乗車下さい。鴻巣駅?善勝寺間だけですが、時刻表を同封致しました。ご利用下さいませ。尚、この時刻表は多数印刷してあります。必要な方はご来山の折お声かけ下さい。

花園会のコーナー

  • 大本山妙心寺派の管長様が交替されます。
    この春、河野太通管長に替わり、名古屋?源寺専門道場師家「嶺興嶽老師」が34代妙心寺派管長に就任されます。興嶽老師の師匠様は30年ほど前の管長松山萬蜜老師であり、善勝寺の寺額(本堂正面にある善勝寺と書かれた額のこと)を書いて頂いた方です。この書は封筒・パンフレットなどあらゆる所に利用させて頂いております。 (善勝の勝が力でなく刀になっているという指摘を頂く事がありますが、書道字典(二玄社)にはこの書き方も載っており間違いではありません)
  • 今年の「花園会」研修テーマは、『おかげさま─父母の恩─今ここ私の命』となりました。
    両親をはじめ、多くのご恩に報いる行いを「報恩の行」と言います。今の自分にできることは何か、この私の命をどう使っていくべきかを考え行うことこそが、報恩の行ということになります。

住職よりひとこと

  • 檀信徒の方の訃報の一報が、葬儀社からはいることが増えてきました。
    以前は隣組の方が二人でお寺に知らせに来られていたことを思うと、ずいぶん変わってきたことだと思っています。
    電話で結構ですが、まずはご遺族の方から寺にお知らせ頂き、その後葬儀社の担当者と日時などの打ち合わせするのが筋だと思います。
  • 故人の意志で葬儀式をしないなどという方もありますが、これは残された者に負担を掛けたくないということで生前にいわれたことと思います。
    仏教徒であれば、授戒をして戒名を授与し、その上で葬儀式をすることは当然のことであります。また、当寺の墓地使用規則には戒名を授与されていない方は納骨できないという条項もありますのでご承知おき下さい。
  • 葬儀の形態も一日葬・家族葬・本堂での骨葬など色々あり、葬儀の形態は規定しませんが、それぞれの家の事情に照らしてご検討下さい。
  • 葬儀費用の事などが心配だという方は、ネットなどに頼らないで、寺に直接ご相談頂くのが合理的で、万が一のとき慌てなくてすむと思います。

編集後記

  • 『善勝寺だより』春彼岸号をお届け致します。
  • 当寺の責任役員を長年お勤め頂き、平成十八年からは顧問に就任されておられました松村進様が、1月29日他界されました。行年85才でした。生前お寺のために尽くしていただきました数々の貢献に感謝するとともに、ご冥福をお祈り致します。
  • 雪の被害のことですが、寺としては庭木の枝が折れた程度でたいしたことは有りませんでした。しかし、近所には農業用ハウス・カーポート・納屋の被害などが多く見受けられます。お見舞い申しあげます。
  • 駐車場の雪かきは、役員の岡部さんがトラクターで行って下さいました。大変助かりました。感謝感謝です。
  • 次回お盆号は、7月の初旬発行予定です。
    施餓鬼会、お盆に関することは、次号『善勝寺だより』をお読み頂いた後にお問い合わせ下さいますようお願い致します。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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