善勝寺だより 第89号
平成26年12月19日発行
発行責任者 明見弘道
平成26年12月19日発行
発行責任者 明見弘道
香爐峰(こうろほう)の雪は 簾(すだれ)を掲(かか)げて見
遺愛寺(いあいじ)の鐘は 枕を欹(そばだて)て聞く
(白居易)
遺愛寺(いあいじ)の鐘は 枕を欹(そばだて)て聞く
(白居易)
今年も余すところあとわずかとなりました。檀信徒の皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうか。
塔婆(とうば)のことですが、善勝寺では、裏面に七文字の禅語などを書くことにしています。「禅林句集」と言って禅語や漢詩を文字数順に網羅した本があります。7文字と14文字の句の中から季節の合う句を選んで書いています。
現在は圓さん(副住職)がほとんど書いていますが、禅語を覚えることにも役立っています。
今の季節でしたら、右にあげた句などを書いてありますが、あまり意味のことなどは気にしないでご覧になって下さい。
塔婆の表には、「大圓鏡智(だいえんきようち)」「平等性智(びようどうしようち)」「妙観察智(みようかんざつち)」「成所作智(じようしよさち)」などをよく書きます。
仏教は智慧の宗教と言われますが、智慧は様々な面から考察され四智などと言われます。
現在の日本は格差社会と言われていますが、インドも階級や貧富などの多様性に満ちた社会であります。その根底にある同じもの、平等性を見抜く智慧を「平等性智(びようどうしようち)」と言います。
平等が善で、差別が悪とするのが一般的ですが、仏教で言う差別は「さべつ」でなく「しゃべつ」といって、あらゆるもののなかの違いを見抜く智慧が「妙観察智(みようかんざつち)」です。学校でも、数学が得意な子、英語が、芸術が、スポーツが得意な子、みんな違いがあります。こうした違いを正当に見抜き、それぞれに適した指導が求められています。
平等と差別を両立させるのが「大圓鏡智(だいえんきようち)」で、この三つの智慧を実践する智慧を「成所作智(じようしよさち)」 と言います。
最後になりましたが、皆様におかれましては健康に留意され、良いお年をお迎え下さいますことを心よりお祈り申し上げます。
塔婆(とうば)のことですが、善勝寺では、裏面に七文字の禅語などを書くことにしています。「禅林句集」と言って禅語や漢詩を文字数順に網羅した本があります。7文字と14文字の句の中から季節の合う句を選んで書いています。
現在は圓さん(副住職)がほとんど書いていますが、禅語を覚えることにも役立っています。
今の季節でしたら、右にあげた句などを書いてありますが、あまり意味のことなどは気にしないでご覧になって下さい。
塔婆の表には、「大圓鏡智(だいえんきようち)」「平等性智(びようどうしようち)」「妙観察智(みようかんざつち)」「成所作智(じようしよさち)」などをよく書きます。
仏教は智慧の宗教と言われますが、智慧は様々な面から考察され四智などと言われます。
現在の日本は格差社会と言われていますが、インドも階級や貧富などの多様性に満ちた社会であります。その根底にある同じもの、平等性を見抜く智慧を「平等性智(びようどうしようち)」と言います。
平等が善で、差別が悪とするのが一般的ですが、仏教で言う差別は「さべつ」でなく「しゃべつ」といって、あらゆるもののなかの違いを見抜く智慧が「妙観察智(みようかんざつち)」です。学校でも、数学が得意な子、英語が、芸術が、スポーツが得意な子、みんな違いがあります。こうした違いを正当に見抜き、それぞれに適した指導が求められています。
平等と差別を両立させるのが「大圓鏡智(だいえんきようち)」で、この三つの智慧を実践する智慧を「成所作智(じようしよさち)」 と言います。
最後になりましたが、皆様におかれましては健康に留意され、良いお年をお迎え下さいますことを心よりお祈り申し上げます。
明見弘道合掌
来年の行事
修正會 | 正月元旦より3日間 |
涅槃會 | 2月15日 |
春彼岸會 | 3月21日(中日) |
降誕會 | 4月8日 |
開山忌 | 8月1日 |
施餓鬼會 | 8月13日(木曜) |
秋彼岸會 | 9月23日(中日) |
達磨忌 | 10月5日 |
成道會 | 12月8日 |
除夜 | 大晦日 |
平成26年正当年回表
壱周忌 | 平成26年 |
参回忌 | 平成25年 |
七回忌 | 平成21年 |
壱拾参回忌 | 平成15年 |
壱拾七回忌 | 平成11年 |
弐拾参回忌 | 平成5年 |
弐拾七回忌 | 平成元年 |
参拾参回忌 | 昭和58年 |
参拾七回忌 | 昭和54年 |
五拾遠年忌 | 昭和41年 |
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、法事の予約は3ヶ月前の1日から受け付けております。ご希望の日時が決まりましたら、お電話にてお問い合わせ下さい。
東光山ミニ法話
『法句経(ダンマパダ)』その16
まこと なすべきを
なおざりにし
なすべからざるをなし
伎(たわむれ)におぼれ
しかも なすところ
放逸(なおざり)なるもの
かかるひとびとに
悪習(まよい)は増張(いやまさ)る
(292 友松圓諦師訳)
なおざりにし
なすべからざるをなし
伎(たわむれ)におぼれ
しかも なすところ
放逸(なおざり)なるもの
かかるひとびとに
悪習(まよい)は増張(いやまさ)る
(292 友松圓諦師訳)
今回は、以前にも参照しました、スリランカ仏教会長老であるスマナサーラ師の「原訳法句経」から引用することと致しました。
『私達は、みななにかの「依存症」にかかっています。今、依存症でなくても、次の瞬間に依存症にかかることもあります。いわば依存症のキャリア(保菌者)なのです。依存するものは、酒、賭け事、パチンコ、おしゃべり、テレビ、スマホなど限りなくあります。酒や賭け事に依存するのはよくない、ということはだれにでもわかっています。けれども、私達はグルメやブランド、健康食品といったものに依存して生活しているかもしれません。インターネットに依存し、つぎからつぎへと調べたりして、何時間も費やしもします。
依存すると、本来なすべきことを後回しにしてしまいます。「今、何をするべきか」がわからなくなるのです。普通の人なら、朝起きたら顔を洗って食事をします。しかし、アルコール依存症の人は、朝起きるとすぐに酒に手がいきます。賭け事に依存している人は、子供の学費さえも賭け事に使ってしまいます。炎天下の車中に子供を放置したままパチンコに熱中して、子供を死なせてしまった親がいました。なんと愚かなことでしょうか。
なにに依存するかが問題なのではありません。依存すること自体がよくないのです。たしかに仏教を学ぶことや、ボランティア活動に励むことはいいことです。しかし、それに依存すれば、やはり自分を見失っていくのです。
私(スマナサーラ師)のところに学びに来る人のなかで、よく「命がけで仏教を学びます。仏教に命をかけます」という人がいます。けれども、そういう人で修行が進んだ人はいません。「命がけ」とか「必死でやります」という人は、そのことにしがみついているわけです。ものごとは真剣すぎるのもよくないし、いい加減でもよくない。だから、中道が大切なのです。』
つねに 善(よ)くつとめて
身につつしみあり
なすべからざることに
遠ざかり
つねになすべきを行い
思い深く さとれるもの
悪習(まよい)は かかる人に消えん
(293 圓諦師訳)
禅寺では、「放逸なることなかれ」などと、「放逸」という言葉をよく使います。放逸とは、「溺れること」「過度に依存すること」を意味し、「心が酔っていて、自分が何をしているのかわからない状態」をいい、その反対の「不放逸」とは、「そのときそのときに、なにをするかわかっている」ことです。
『今、何をやるべきかをよくわかっていて、それをきちんとやること、それが不放逸です。不放逸であることで心は育っていくのです。』
『私達は、みななにかの「依存症」にかかっています。今、依存症でなくても、次の瞬間に依存症にかかることもあります。いわば依存症のキャリア(保菌者)なのです。依存するものは、酒、賭け事、パチンコ、おしゃべり、テレビ、スマホなど限りなくあります。酒や賭け事に依存するのはよくない、ということはだれにでもわかっています。けれども、私達はグルメやブランド、健康食品といったものに依存して生活しているかもしれません。インターネットに依存し、つぎからつぎへと調べたりして、何時間も費やしもします。
依存すると、本来なすべきことを後回しにしてしまいます。「今、何をするべきか」がわからなくなるのです。普通の人なら、朝起きたら顔を洗って食事をします。しかし、アルコール依存症の人は、朝起きるとすぐに酒に手がいきます。賭け事に依存している人は、子供の学費さえも賭け事に使ってしまいます。炎天下の車中に子供を放置したままパチンコに熱中して、子供を死なせてしまった親がいました。なんと愚かなことでしょうか。
なにに依存するかが問題なのではありません。依存すること自体がよくないのです。たしかに仏教を学ぶことや、ボランティア活動に励むことはいいことです。しかし、それに依存すれば、やはり自分を見失っていくのです。
私(スマナサーラ師)のところに学びに来る人のなかで、よく「命がけで仏教を学びます。仏教に命をかけます」という人がいます。けれども、そういう人で修行が進んだ人はいません。「命がけ」とか「必死でやります」という人は、そのことにしがみついているわけです。ものごとは真剣すぎるのもよくないし、いい加減でもよくない。だから、中道が大切なのです。』
つねに 善(よ)くつとめて
身につつしみあり
なすべからざることに
遠ざかり
つねになすべきを行い
思い深く さとれるもの
悪習(まよい)は かかる人に消えん
(293 圓諦師訳)
禅寺では、「放逸なることなかれ」などと、「放逸」という言葉をよく使います。放逸とは、「溺れること」「過度に依存すること」を意味し、「心が酔っていて、自分が何をしているのかわからない状態」をいい、その反対の「不放逸」とは、「そのときそのときに、なにをするかわかっている」ことです。
『今、何をやるべきかをよくわかっていて、それをきちんとやること、それが不放逸です。不放逸であることで心は育っていくのです。』
〈つづく〉
花園会のコーナー
米寿・百歳の方はお申し出下さい
花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。
来年平成27年は、昭和3年生まれの方、大正5年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。
来年平成27年は、昭和3年生まれの方、大正5年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。
平成27年度護持費納入の件
この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。いわば、善勝寺檀信徒の年会費であります。
檀徒の方と本堂にご遺骨を預けておられる方は、規定により必ず納めて下さい。檀徒の方は、本山妙心寺の花園会員として登録しておりますが、本山花園会費、教区花園会費も、護持費より支払っております。
「合同船」へのお申し込みの方、他の霊園などに墓地のある方は、納入義務はありませんが、ご協力をお願い申し上げます。
平成27年度の護持費の納入期限は、同年3月末日となっていますが、お忘れにならないうち、早めにお振り込み頂ければ幸甚に存じます。
尚、郵便局での「振替払込票」を以て、領収書とさせて頂いておりますが、この用紙は、1年以上保管下さいますようお願い申し上げます。
尚、過年度分が未納になっておられるかたは、加算して納入下さいますよう重ねてお願い申し上げます。3カ年以上未納となった場合は、墓地使用許可を取り消すという規定になっております。ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
檀徒の方と本堂にご遺骨を預けておられる方は、規定により必ず納めて下さい。檀徒の方は、本山妙心寺の花園会員として登録しておりますが、本山花園会費、教区花園会費も、護持費より支払っております。
「合同船」へのお申し込みの方、他の霊園などに墓地のある方は、納入義務はありませんが、ご協力をお願い申し上げます。
平成27年度の護持費の納入期限は、同年3月末日となっていますが、お忘れにならないうち、早めにお振り込み頂ければ幸甚に存じます。
尚、郵便局での「振替払込票」を以て、領収書とさせて頂いておりますが、この用紙は、1年以上保管下さいますようお願い申し上げます。
尚、過年度分が未納になっておられるかたは、加算して納入下さいますよう重ねてお願い申し上げます。3カ年以上未納となった場合は、墓地使用許可を取り消すという規定になっております。ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
(役員一同)
ご案内
除夜の鐘と修正会
『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、百八撞き終わるのは0時半頃です。行く年に感謝し、来る年の無事を祈って心を込めて撞いて下さい。
観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意をしております。
正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。檀信徒皆様の一年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札」と年賀の品、ポスターなどを差し上げています。
今年も、別紙案内の如く3日の祈祷会に引き続き、
観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意をしております。
正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。檀信徒皆様の一年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札」と年賀の品、ポスターなどを差し上げています。
今年も、別紙案内の如く3日の祈祷会に引き続き、
新春落語会を開催します。
元旦・2日ではなく、是非3日に、ご近所、お友達をお誘い合わせの上、多数ご来山下さいますようご案内致します。
なお、お参りの際には年賀として、大人一人当たり「千円程度」ご用意頂きますようお願い申し上げます。(年賀は、不祝儀用の袋ではなく、赤白の祝儀用をお使い下さい。)
なお、お参りの際には年賀として、大人一人当たり「千円程度」ご用意頂きますようお願い申し上げます。(年賀は、不祝儀用の袋ではなく、赤白の祝儀用をお使い下さい。)
役員会議事録より
12月1日午後4時から、住職並びに総代11名(1名欠席)参加のもと、網代温泉「みずの」に於いて、『定例総代会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。
以下審議・決議内容を報告します。
- 現状報告。
今年度入檀者・十一月末日までの会計収支などを報告しました。 - 平成27年度行事・事業計画。
行事は26年度に準じて行う。
駐車場用地購入の検討をする。
本堂・書院の畳替えなどの保守を行う。 - 「平成27年度一般会計予算」(案)を原案通り承認されました。
- 総代役員人事に関する件。
責任役員の関根安正さんは高齢を理由に辞任され、後任に岡部一美総代さんが責任役員に就任されることとなりました。尚、関根さんには顧問として、今後とも役員会に対してご意見を頂く事としました。
つぎに、監査の古山徳次郎総代さんは、仕事の関係でいったん役を退かれました。後任には、根岸博総代さんが監査に就任されました。役員の交代は、1月1日といたします。
編集後記
- 『善勝寺だより』年末号(89号)をお届けします。
- 今回総代会で総代を辞任されました関根さんには、長年にわたり責任役員を勤めていただきました。私が善勝寺に入る前からの役員で、特に本堂建設に当たっては尽力され、関根さんがおられなかったら、建設できなかっただろうと窺っております。温厚な方で、色々な意見がある中、うまく取りまとめていただき、一番信頼していただけに残念でなりません。しかし、辞任の意志が堅く致し方ありませんでした。善勝寺発展には多大なる貢献いただき、この場を借りて感謝の意を表します。
- 来年は、皆様にとってより良い年でありますように念じております。
弘道 合掌