本文へ移動

第92号 秋彼岸号(平成27年9月9日発行)

善勝寺だより 第92号
平成27年9月9日発行
発行責任者 明見弘道
月は中秋に至って満ち
風は8月從(よ)り涼し

旧暦では、7月8月9月の3ヶ月が秋です。8月を中秋と呼び、8月15日頃の満月が中秋の名月です。
今年は新暦の9月27日がそれに当たります。

旧暦の8月1日は9月の13日で、風が涼しく感じられるのは、この頃からと言う意味になります。
因みにお盆は、旧暦の7月15日で、今年は8月28日でした。元々お盆は秋の行事と言うことになります。
さて、先月の施餓鬼法要には、多数ご参拝頂き誠にありがとうございました。
心配された天候でしたが、雨は早朝のみで、薄日も差す良い天気になりました。
今年は、施餓鬼の申込状況を計4回ホームページ上にお知らせしたところ、初盆の方など、かなりの方が午後に変更してくださり、全体として平均化されました。ご協力有り難うございました。
駐車場も通路を一方通行にしたり、ご近所の協力を得て臨時駐車場を設けたりで、混雑はしても、混乱はなかったとのことでした。警備会社も変更し、交通誘導員4名派遣して頂いたことも良かったようです。
今年も施餓鬼法要が多数の参拝者を迎え無事終えることができました。これも、準備から後片付けまで、お骨折り頂きました役員さん、また当日スタッフとして、受付、花売り、接待係など積極的にご協力頂きました役員の奥様かたがた、そして今年も役員さん以外の方にもお手伝いをお願いしたところ、快く引き受けて頂き、大変助かりました。
ご協力頂きました方々には、この場を借りて、厚く御礼申し上げる次第であります。
檀信徒の皆様に於かれましては、ご自愛頂き、またお彼岸にもお参り下さいますようお願い申します。

明見弘道

ご案内

秋季彼岸会

左記の如く、彼岸法要を厳修致します。
檀信徒の皆様におかれましては、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

9月23日(水曜日)
午後2時より彼岸法要
法要終了後住職の法話。
(2時50分終了予定)
*ご供養料、塔婆料(1基3,000円)は、本堂前机お盆にお供え下さい。
(彼岸法要には受付を設けません)
彼岸の塔婆を建てられる方は、前もって電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

東光山ミニ法話

『法句経(ダンマパダ)』その19

村の中に
森の中に
はた海に
はた陸(おか)に
阿羅漢(こころあるもの)
住みとどまらんに
なべてみな楽土(らくど)なり
友松圓諦訳(98)

中村元氏のパーリ語からの現代語訳は、「村でも、林にせよ、低地にせよ、平地にせよ、聖者の住む土地は楽しい」となっています。
お釈迦様が実際に旅をされた地域は、北インドの内陸だけですので、ジャングルとか日本のような深い森ではなく、林というイメージの方が近いようです。また、海そのものではなく、海辺、川辺といった低い土地、或いは、台地と言ったところを指しているようです。

阿羅漢は、インド語のアラハント或いはアルハトの音写で、修行を完成した人のことを表し、真人とか聖者と訳されています。
聖者は、どこに住もうがどこに行こうが、また環境に左右されずに楽土(浄土)であり、楽土以外の處はないということになります。
かつて道元禅師は、道を求めて宋(今の中国)に渡り修行されました。
阿育王山(あいくおうざん)と言う寺の典座(てんぞ)(台所で修行僧たちの食事を作る役)に、「いいお年をして典座などという煩わしい仕事などなさらずに、もっと座禅をしたり語録を読んだりなさったらどうですか」と言ったところ、「ハハハ、日本からおいでになった若いお坊さん、あなたはまだ修行ということがどういうことか、真の教えというものがどういうものか、よくおわかりになっていないようですな」と大笑いされてしまいました。その頃の道元禅師は、禅とか仏法というものは特別のもので、台所仕事や掃除はつまらないことと思っておられたのでした。
その後、禅師が修行されて得られた答えは、「一二三四五」どれもこれもどうでもよいこと、つまらないこと、おろそかにしてよいものなど、一つもないということだったのです。
道元禅師が帰国されて言われたのは、「眼横鼻直(がんのうびちよく)」。つまり目は横に鼻は直(たて)についていることを知った善勝寺だよりだけで、仏法などと言う特別のものは何もなかった。だから空手で帰ってきた、と言われたのです。
しかしこれは、確かなものを求め得たからこそ言える言葉であります。
チルチルミチルの青い鳥ではありませんが、徹底的に探し求めてみないことには、「他に向かって探すものではなかった」ことを、「すでに授かっていたことに気づくだけのこと」であったということを知ることはできないのであります。
阿羅漢はもう何も求めるものはありません。生きざまそのものが仏法です。
どこに居ても、何をしていても仏法から離れることはありません。
そのところを、禅語で、
歩歩是道場(ほほこれどうじょう)或いは
随處(ずいしよ)に主(しゅ)と作(な)れば
立處皆眞(りつしょみなしん)なり

などと言います。

〈つづく〉
(本文の一部は、青山俊董老師の著書「法の華鬘抄」を参照しました)

施餓鬼会塔婆申込のこと

今年の施餓鬼会塔婆は、合計1,200基を超えるの申込を頂きました。誠に有り難うございました。

1基につき6,000円納めて頂きましたが、そのうち3,000円を塔婆代として、残り3,000円は、施餓鬼会供養料として一般会計に入金致しました。
この内、『難民を助ける会』に、対人地雷撤去、並びにマラリア対策のために10万円を、東日本大震災復興のために本山妙心寺を通して10万円を、日本赤十字社に対して特別社費2万円を、義援金並びに社会福祉寄付として支出致しました。

当寺檀徒(墓地取得のみの方を除く)1軒に1基以上の施餓鬼塔婆をお申し込み頂くようお願い致しておりますが、今後ともどうぞよろしくお願い致します。
施餓鬼会塔婆料納入の件ですが、受付の混乱を少しでも解消するため、また供物などをお渡しする関係で13日当日ご来山頂ける方は、自由参拝の方も含め全員の方、受付にて現金で納めて頂きますようお願いします。当日お参りできない方のみ、郵便振替にてあらかじめ(7月末日まで)納入下さいますようお願い致します。
(振替用紙は、各郵便局にあります)

住所・電話番号の変更は速やかにお申し出下さい
塔婆の件で、こちらから連絡しても通じないことがありました。
携帯電話が普及し、固定電話は、使用していない方が増えているようです。
住所変更だけでなく、固定電話を廃止された場合も、携帯電話の番号をお知らせ下さいますようお願いします。
塔婆申込ハガキにも、連絡先の電話番号は、携帯電話の番号をお書き頂ければ有り難いのですが……。
来年以降、よろしくお願い致します。 
尚、個人情報の管理は、規則に従い厳格に管理致しております。

ご案内

わかる 仏教講演会

隔年で開催しています、鴻巣市仏教会主催の講演会です。
今年は、芥川賞作家の玄侑宗久師においで頂くことになりました。
またとないチャンスです。ご近所ご友人・知人お誘い合わせの上、多数ご来場下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。

日時 11月4日(水曜日)
12時開場
12時50分開演
場所 クレアこうのす大ホール
講師 臨済宗妙心寺派福聚寺住職 玄侑宗久師
演題 『風流に生きる』

入場は無料ですが、入場整理券が必要となります。整理券は善勝寺にあります。お彼岸にお参りになった折りにでもお立ち寄り下さい。 また、別紙案内にあるように、和太鼓の演奏もあります。迫力ある和太鼓の演奏をお楽しみ下さい。

事務局からのお願いとお知らせ

  • 水桶は元にあったところに戻して下さい。特に新しい水場には、大きい水桶は収まりません。かたちを統一してありますので元に善勝寺だよりあった場所に返して下さい。
  • 線香の火は専用ライターで着けて下さい。各自専用ライターを墓参のたびにご持参頂きますようお願いします。
    尚、線香着火ライターはホームセンターなどに各種あります。
  • 墓前に「おはぎ」「果物」「缶ビール」などはお供えしないようお願いしております。お盆にも、団子、ナシ、などが、ゴミかごに捨てられており、大変迷惑しております。
    果物・お菓子などは、仏壇にお供えして頂きますようお願いします。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売は致しておりません。当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。

編集後記

  • 「善勝寺だより」92号をお届け致します。
  • 先日、『池上彰と考える、仏教って何ですか?』(飛鳥新社)を読みました。
    仏教の誕生から現在の日本の仏教の問題点まで、幅広くわかりやすく書いてあります。
    お勧め図書です。是非お読み下さいませ。
  • 次号は、年末号として年内に発送する予定です。それには平成28年度護持費のお願いと郵便振替用紙を同封致します。お早めに納入いただきますようお願いします。
  • また、来年年忌法要が当たっておられる家には、今年11月末に年忌法要のお知らせを郵送致します。
    尚、法事の申込は、3ヶ月前の1日から受付けております。
  • 11月4日の講演会、私は講師の接待役ですから、その場では皆さんにお目にかかれないかと思いますが、後で感想をお聞かせ下さい。

(弘道)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
TOPへ戻る