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第93号 年末号(平成27年12月21日発行)

善勝寺だより 第93号
平成27年12月21日発行
発行責任者 明見弘道
雪後始めて知る 松柏(しようはく)の操(みさほ)
事難(かた)うして方(まさ)に見る 丈夫(じようぶ)の心(しん)

今年も余すところあとわずかとなりました。檀信徒の皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうか。
上の句は、「人生の艱苦に逢って始めて人物の真価が解る」との解説があります。松や柏は冬を越して益々緑が冴えるように、人も艱難辛苦(かんなんしんく)を乗り越えてこそ人生に磨きがかかり、真価が発揮されます。

以前は、「かわいい子には旅をさせよ」とか「若いときの苦労は買ってでもせよ」などとよく言ったものですが、そういう言葉も聞かなくなりました。
自分の子供には苦労させたくないとの思いで、親がレールを敷き、お膳立てをする。苦労を知らないで大人になっている人が多いように思います。

さて、11月4日、玄侑宗久師をお迎えしての「わかる仏教講演会」は、クレアこうのす大ホール3階まで満席の来場者で大盛況でした。善勝寺関係の方は二百数十名おいで頂いたようです。有り難うございました。舞台の袖で見ていましたが、皆さん熱心に聞いておられました。
災害・事故、病気、いつ何が起きるかわからない、思った通りにならないのが世の常です。一時的に動揺があったとしても、本来の自己をとりもどし、風に逆らわないで生きてゆく、それが「風流に生きる」と言うこと、とも宗久師は仰っていました。
自己を「無(む)」にして、風流に生きたいものです。
最後になりましたが、皆様におかれましては健康に留意され、良いお年をお迎え下さいますことを心よりお祈り申し上げます。

明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月20日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(土曜)
秋彼岸會
9月22日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

平成28年正当年回表

壱周忌
平成27年
参回忌
平成26年
七回忌
平成22年
壱拾参回忌
平成16年
壱拾七回忌
平成12年
弐拾参回忌
平成6年
弐拾七回忌
平成2年
参拾参回忌
昭和59年
参拾七回忌
昭和55年
五拾遠年忌
昭和42年
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、法事の予約は3ヶ月前の1日から受け付けております。ご希望の日時が決まりましたら、お電話にてお問い合わせ下さい。

東光山ミニ法話

『法句経(ダンマパダ)』その20

「ここにて
この雨期を過さん
ここにて 冬を
かしこにて 夏を過さん」
心なきものは かく思いて
死の近づくを さとらず
(286 友松圓諦師訳)

中村元氏の訳では、「私は雨期にはここに住もう。冬と夏とにはここに住もう」と愚者はこのようにくよくよとおもんぱかって、死が迫って来るのに気がつかない。となっています。

唐の時代「洞山良价(とうざんりようかい)」という禅僧がおられました。あるとき雲水が尋ねました。「暑さ寒さがやってきた、どうやって逃れたらよろしいでしょうか」洞山和尚は「暑さ寒さのないところへ行けばいいじゃないか」との答え。「そんないいところがありますか。暑さ寒さのないところはどこなのでしょうか」という重ねての雲水の質問に対して、「寒いときは寒さと一つになり、暑いときは暑さと一つになることだよ」と答えられたのです。

江戸後期、良寛さんが越後に居られたとき、三条の町に大地震があり、多くの人が亡くなりました。信者であった山田屋の主人は良寛さんの身辺を心配して見舞いの手紙を出しました。良寛さんは、お礼の手紙をしたため、最後に「災難にあう時節(とき)には、災難にあうがよろしく候(そうろう)。これ災難をのがるるの妙法にて候」と書き添えられました。

一方、白隠禅師が書かれた墨蹟(ぼくせき)のなかに、「南無地獄大菩薩」と余白がほとんどないくらい、大きく太い字で書かれたものがあります。普通「南無」のあとは「阿弥陀仏」であったり「観世音菩薩」或いは「妙法蓮華経」であったり、有り難いものですが、白隠禅師は「地獄大菩薩」と書かれたのであります。
白隠禅師が出家されたのは、幼いころ母親に連れられて行った寺で、地獄にまつわる説法を聞いたことがきっかけだったそうです。地獄の苦しみから逃れたい一心で自ら出家を願い出たそうです。
その白隠禅師が「南無地獄大菩薩」と書かれているのです。
地獄と極楽は表裏一体。だからこそ、そこが地獄であろうが極楽であろうが、日々できること、やるべきことを一生懸命行い、生きていくことしかないのです。
青山俊董老師も大病を患った時、病気になったおかげで気付かせて頂いたことがあり、これをもじって、「南無病気大菩薩」と、有り難く病気を受けとめられました。

〈おわり〉

20回(5年間)続きました、法句経を題材とした、ミニ法話をひとまず終了と致します。

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。
来年平成28年は、昭和4年生まれの方、大正6年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。

平成28年度護持費納入の件

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。いわば、善勝寺檀信徒の年会費であります。
檀徒の方と本堂にご遺骨を預けておられる方は、規定により必ず納めて下さい。檀徒の方は、本山妙心寺の花園会員として登録しておりますが、本山花園会費、教区花園会費も、護持費より支払っております。
「合同船」へのお申し込みの方、他の霊園などに墓地のある方は、納入義務はありませんが、ご協力をお願い申し上げます。
平成28年度の護持費の納入期限は、同年3月末日となっていますが、お忘れにならないうち、早めにお振り込み頂ければ幸甚に存じます。

尚、郵便局での「振替払込票」を以て、領収書とさせて頂いておりますが、この用紙は、1年以上保管下さいますようお願い申し上げます。

尚、過年度分が未納になっておられるかたは、加算して納入下さいますよう重ねてお願い申し上げます。3ヶ年以上未納となった場合は、墓地使用許可を取り消すという規定になっております。ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

(役員一同)

ご案内

除夜の鐘と修正会

『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、百八撞き終わるのは0時半頃です。行く年に感謝し、来る年の無事を祈って心を込めて撞いて下さい。
観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意をしております。

正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。檀信徒皆様の一年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札」と年賀の品、ポスターなどを差し上げています。

今年も、別紙案内の如く3日の祈祷会に引き続き、

新春落語会を開催します。

元旦・2日ではなく、是非3日に、ご近所、お友達をお誘い合わせの上、多数ご来山下さいますようご案内致します。

なお、お参りの際には年賀として、大人一人当たり「千円程度」ご用意頂きますようお願い申し上げます。
(年賀は、不祝儀用の袋ではなく、赤白の祝儀用をお使い下さい。)

役員会議事録より

12月3日午後5時から、住職並びに総代・顧問、計9名(1名欠席)参加のもと、松島「一の坊」に於いて、『定例総代会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告。
    今年度入檀者・十一月末日までの会計収支などを報告しました。

  2. 駐車場拡張に関する、進捗状況を報告。

  3. 平成28年度行事・事業計画。
    行事は27年度に準じて行う。

  4. 「平成28年度一般会計予算」(案)を原案通り承認されました。

会議後は、皆でお風呂に入り、その後は忘年会。翌日の研修は「瑞巌寺」などを拝観しました。(松島瑞巌寺も臨済宗妙心寺派のお寺です)

編集後記

  • 『善勝寺だより』年末号(93号)をお届けします。
  • 当山の護持費は、墓地の掃除料という意味ではありません、墓地の有無にかかわらず、善勝寺檀信徒一律の年会費です。墓地内の清掃は各自でして戴きますようお願い致します。
  • 落語家の「林家たけ平」さん来年3月真打ち昇進が決定しました。
    その披露も兼ねた落語会となります。
  • 圏央道、北本~白岡間がつながりました。関越方面からは新しくできた「桶川加納」インターチェンジで下りて下さい。寺まで12Kmです。
  • 来年は、皆様にとってより良い年でありますように念じております。

弘道 合掌
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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