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第97号 年末号(平成28年12月21日発行)

善勝寺だより 第97号
平成28年12月21日発行
発行責任者 明見弘道
溪邊掃葉(けいへんそうよう)す
夕陽(せきよう)の僧

今年も余すところあと10日程となりました。
檀信徒の皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうか。
11月12月は、境内掃除が大変で、副住職の圓さんが掃いても掃いても次々に落ち葉が積もります。
右の句は、谷川のそばに寺があるのでしょう、一人の老僧が谷のほとりで落ち葉をゆったりと掃いている。悠々閑寂の妙景、絵になりますね。夕陽とは老境の喩です。
現在は(善勝寺もそうですが)多くの寺でエンジンブロアーを使って掃除をしますので、音もうるさいですし、全く情緒もなく絵になりません。そんなに急ぐこともないのですが、絶えず時間に追われて生活してしまいます。来年は、もっとゆったりとした時を持ちたいものです。
さて、今年は臨済禅師の1,150年と白隠禅師の250年の遠忌で様々な行事がありました。その締めくくりとなったのが鎌倉建長寺での法要でした。
私も出頭(随喜)して、円覚寺の管長横田南嶺老師の提唱(法話)を拝聴しました。臨済録の「奪人不奪境(だつにんふだつきよう)・奪境不奪人(だつきようふだつにん)・人境倶奪(にんきようともにだつ)・人境倶不奪(にんきようともにふだつ)」を講じていただきました。難しいことをわかりやすく話していただけるという定評でしたが、全くその通りでした。日常生活をこの四つに分類できる。自分(人)を無にして自分以外(境)だけの世界、例えば新入社員は、自分を無にして何でもハイハイという。でもプレゼンテーションするときは社長部長が前にいてもひたすらに自分の考えを述べるのが「奪境不奪人」無礼講の忘年会は「人境倶不奪」、無心に掃葉している夕陽の僧は、主観も客観もない「人境倶奪」でしょうか。
最後になりましたが、皆様におかれましては健康に留意され、良いお年をお迎え下さいますことを心よりお祈り申し上げます。

明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月20日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(日曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

平成29年正当年回表

壱周忌
平成28年
参回忌
平成27年
七回忌
平成23年
壱拾参回忌
平成17年
壱拾七回忌
平成13年
弐拾参回忌
平成7年
弐拾七回忌
平成3年
参拾参回忌
昭和60年
参拾七回忌
昭和56年
五拾遠年忌
昭和43年
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、法事の予約は3ヶ月前の1日から受け付けております。ご希望の日時が決まりましたら、お電話にてお問い合わせ下さい。

東光山ミニ法話

『魂のふるさと』山田無文老師著より

大阪の川柳会の中継がラジオでありました。課題は「年の暮」ということであったかと思います。
「年の暮れ忘れていいこと悪いこと」
という一句がありました。
これは極めて常識的な堅実なものの考え方であります。1年間を振り返ってみて、失敗したことや、人と争ったことや、苦しかったことなどは忘れてしまって、人に世話になったことや、ご恩になったことや、楽しかったこと、幸せだったことは、覚えておこうというわけでありましょう。
きわめて常識的な健全な考え方ですが、私は、良いことも悪いことも、一緒にすべてを忘れてしまってはどうかと思うのです。忘年会ということは、良いことも悪いことも、ともに忘れてしまうことだと思うのです。すべてを忘れてしまわなければ新しい年は来ないのではないかと思います。来たといっても、いっこうに新しくないと思います。
盤珪(ばんけい)禅師(江戸時代の高僧)が言っておられます。
「嫁が憎いの姑が憎いのとよく言わっしゃるが、嫁も姑も憎いものではないぞ。嫁があの時あんなことを言いよった、この時こんなことをしよったという記憶が憎いんじゃろう。姑さんがあの時あんな厭(いや)なことを仰(おつしや)った、この時こんな冷たい仕打ちをなさった、という記憶が憎いんじゃろう。みんな記憶を忘れてしまいさえすりゃ、嫁は憎いものではないぞ、姑は憎いものではないぞ」と。
面白いお諭(さと)しではありませんか。平易なお言葉ですが、たしかに真理があると思います。記憶こそ苦しみのもとであり、忘却こそ救いであります。すべての過去を水に流して、毎日新鮮な意識で日暮しできたらと思います。
記憶というものは、経験や知識の消化しないものだと、私は思うのです。経験や知識をただ記憶しておるだけでは、実際の役にはたちません。必要なだけをすっかり吸収して、自分のものにし、力にして再現せねばならんと思います。たとえば、茶道の作法をどんなに記憶しておっても、茶人とは言えません。剣道の型をどんなによく記憶しても、達人にはなれません。
このごろ、ある著名な説教師さんのお話を聞いたという人がありましたから、「良いお話でしたでしょう」と申しましたら、「お話は申し分のない良いお話しでしたが、たった一つ足らんものがありました」と言われるのです。そこで「それは何ですか」と尋ねましたら、「ぬくみが足りませんでした」と答えられました。恐ろしい言葉だと思いました。どんな立派なお説教でも、それが記憶の受け売りだったら、テープレコーダーも同じことでしょう。よく噛みこなし吸収して、わがものにし、温かい血液を通して語られなくてはならぬと思います。
親が子にしてやったことを、ああしてやった、こうもしてやったといちいち覚えておったらどうでありましょう。親の慈悲にはなりません。
日々の経験と知識の中から、自分の人間性を育てるに必要な精分を十分吸収して、一切の記憶を忘れ、温かい人間愛として、生活の中に再現されることが大切だと思います。
(このページは無文老師著「魂のふるさと」より要約・抜粋したもので一人称は無文老師です)

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。
来年平成29年は、昭和5年生まれの方、大正7年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。

平成29年度護持費納入の件

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。いわば、善勝寺檀信徒の年会費であります。
檀徒の方と本堂にご遺骨を預けておられる方は、規定により必ず納めて下さい。檀徒の方は、本山妙心寺の花園会員として登録しておりますが、本山花園会費、教区花園会費も、護持費より支払っております。
「合同船」へのお申し込みの方、他の霊園などに墓地のある方は、納入義務はありませんが、ご協力をお願い申し上げます。
平成29年度の護持費の納入期限は、同年3月末日となっていますが、お忘れにならないうち、早めにお振り込み頂ければ幸甚に存じます。

尚、郵便局での「振替払込票」を以て、領収書とさせて頂いておりますが、この用紙は、1年以上保管下さいますようお願い申し上げます。

尚、過年度分が未納になっておられるかたは、加算して納入下さいますよう重ねてお願い申し上げます。3ヶ年以上未納となった場合は、墓地使用許可を取り消すという規定になっております。ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

(役員一同)

ご案内

除夜の鐘と修正会

『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、百八撞き終わるのは0時半頃です。行く年に感謝し、来る年の無事を祈って心を込めて撞いて下さい。
観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意をしております。

正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。檀信徒皆様の一年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札」と年賀の品、ポスターなどを差し上げています。

今年も、別紙案内の如く3日の祈祷会に引き続き、

新春落語会を開催します。

元旦・2日ではなく、是非3日に、ご近所、お友達をお誘い合わせの上、多数ご来山下さいますようご案内致します。

なお、お参りの際には年賀として、大人一人当たり「千円程度」ご用意頂きますようお願い申し上げます。
(年賀は、不祝儀用の袋ではなく、赤白の祝儀用をお使い下さい。)

役員会議事録より

12月19日午後5時から、住職並びに総代、計9名(全員出席)参加のもと、いわき市ハワイアンズに於いて、『定例総代会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告。
    今年度入檀者・11月末日までの会計収支などを報告しました。

  2. 墓地拡張の件。
    計画案を承認。来年度申請手続きを開始することになりました。

  3. 平成29年度行事・事業計画。
    行事は28年度に準じて行う。

  4. 「平成29年度一般会計予算」(案)を原案通り承認されました。

編集後記

  • 『善勝寺だより』年末号(97号)をお届けします。
  • 当山の護持費は、墓地の掃除料という意味ではありません、墓地の有無にかかわらず、善勝寺檀信徒一律の年会費です。墓地内の清掃は各自でして戴きますようお願い致します。
  • お墓に、缶コーヒー・缶ビール・ペットボトルなどは置きっぱなしにしないで下さい。お参りの間お供えし たら、必ずお持ち帰りいただきますようお願いします。
  • 圏央道、「桶川加納」インターチェンジで下りたら、ナビが鴻巣方面を指示しても、久喜方面に向かい、「弁天沼」を左折し「いなほ通り」の方が早いです。(所要時間約十五分)
  • 来年は、皆様にとってより良い年でありますように念じております。

弘道 合掌
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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