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第100号 秋彼岸号(平成29年9月11日発行)

善勝寺だより 第100号
平成29年9月11日発行
発行責任者 明見弘道
君が為に
葉葉(ようよう)清風を起こす

この句は虚堂(きどう)禅師(中国宋代の禅僧で大応国師の師です。その後、大燈国師・関山国師と続き日本の禅の主流となります。鎌倉円覚寺の開山仏光国師も虚堂禅師に参じておられます)
虚堂禅師のところにいた僧を見送るときに読んだ詩です。

「相送って門に当たれば脩竹有り、君が為に葉葉清風を起こす」暫く逗留されていた禅僧を見送って門のところまで来ると、そこには竹林があった。あなたのために、竹の葉一枚一枚が清らかな風を起こしています。只それだけのことのように思われますが、そこには禅的な深い意味が込められています。
 前回は、仏法とは涼しい風だ、と言ったかと思うと、今度は風が禅だ、と言ってみたり、理解に苦しまれるかと思いますが、サラッと受けながしてください。

「下載(あさい)の清風誰にか付(ふ)与(よ)せん」
という句もあります。重い荷物を背負って来たけど、ここらで一服しようと荷物を下ろしたところに、なんともいえない清風を全身で感じる。こんな気持ちを誰がわかってくれるだろうか。
という意味です。ここで言う荷物とはとらわれの心をも指しています。
一人一人が背負っている重い荷物とともに、とらわれの心もすっかり捨ててしまうことができれば、どんなにか爽やかな気持ちで生きていけるでしょう。

さて、先月の施餓鬼法要には、多数ご参拝頂き誠にありがとうございました。尚、不行き届きのことも多々あったことと存じます。この紙面を借りてお詫び申し上げます。
今年も施餓鬼法要が多数の参拝者を迎え無事終えることができました。これも、準備から後片付けまで、お骨折り頂きました役員さん、役員の奥様、そして今年からは青年部の方が加わって頂いたので、大変助かりました。ご協力頂きました方々には、厚く御礼申し上げる次第であります。
檀信徒の皆様に於かれましては、さらにご自愛くださいますよう念じ申し上げます。

ご案内

秋季彼岸会

下記の如く、彼岸法要を厳修致します。
檀信徒の皆様におかれましては、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

9月23日(土曜日)
午後2時より彼岸法要
法要終了後住職の法話。
(3時終了予定)
*ご供養料、塔婆料(1基3,000円)は、本堂前机お盆にお供え下さい。
(彼岸法要には受付を設けません。また、生花の販売はありません)
彼岸の塔婆を建てられる方は、前もって電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

東光山ミニ法話

今回は、臨済宗円覚寺派管長、横田南嶺老師の著書を参考にこのコーナーを書きます。
先般、鎌倉円覚寺を訪れ管長猊下にお目にかかりました。「わかる仏教講演会」(11月9日)の講師としておいで頂くための拜請(挨拶)に行きました。
4名で行ったのですが、それぞれにサイン入りの本と、「わたしの観音様」(延命十句観音経)という横6センチ縦9センチほどの小さい本もいただきました。
帰ってこれを開いて感動しました。いつでもお守りのように携帯し、辛いとき・困ったとき・怖いときなどに、開いて読んで頂ければきっと観音様が現れて下さることと思います。
書店から沢山取り寄せしましたので、今度の彼岸法要(23日2時)にお参り頂いた皆様にお配り致します。
そして皆様とともに、延命十句観音経を唱えましょう。
また、それとは別に、老師の著書「祈りの延命十句観音経」という本があります。こちらは是非お求めいただき読んで頂きたいのですが、以下一部ご紹介します。

観(かん)世(ぜ)音(おん) (観音さま)

「延命十句観音経」を講じてみます。
このお経はとりわけ白隠禅師が、あらゆるお経の極意がこの短いお経にこめられていると言って、大いに推奨されました。円覚寺では幼稚園の園児達も毎朝元気よく大きな声でお唱えしています。
仏教にはたくさんの仏さま菩薩さま方がおいでです。お釈迦さま、阿弥陀さま、薬師さまといった仏さま方、それに観音さま、お地蔵さま、弥勒菩薩といった菩薩方、実にたくさんございます。そのどれもが仏さまの心を表しています。

まずこの観音さまとは、正しくは観世音菩薩、世音を観ると書きます。
世音とは世の中の音、声です。世間の人々の声を観る、観るというにはよく見る、心でよく聞くことを表します。
人間には様々な苦悩がございます。どんな方でも、何の苦悩も無い人はいないかと存じます。それぞれ苦しみ悩みを抱えています。どうしようもない苦しみ悩み悲しみを抱えて、どうか観音さまお救い下さいとお願いする気持ちになることがございます。そんなときにその声をお聞き取り下さり、救いの手をたれてくださるのが観音さまです。

人々の苦悩を救ってあげたいという心、これこそが仏さまのお心です。
そして仏教でさらに大切なことは、この仏さまの心は何も特別な仏さま菩薩さま方だけがお持ちになるものではありません。あらゆるいのちあるものみんな仏さまの心を持っているというのが、お釈迦さまのお悟りです。
私達の本心は誰しもみな仏さまの心です。
ただ自分勝手なわがままな欲望、妄想、思いこみによって、本来持って生まれた仏さまの心を見失っています。
「観世音」と第一に呼びかけますのは、観音さまに救いを求めると同時に、私達の本心である、仏さまの心を呼び戻すことでもあります。

施餓鬼会塔婆申込のことなど

今年の施餓鬼会塔婆も、千三百基を超える申込を頂きました。誠に有り難うございました。
1基につき6,000円納めて頂きましたが、そのうち3,000円を塔婆代として、残り3,000円は、施餓鬼会供養料として一般会計に入金致しました。
この内、『難民を助ける会』に、対人地雷撤去、並びにマラリア対策のために10万円を、大震災・洪水復興のために本山妙心寺を通して10万円を、日本赤十字社に対して特別社費2万円を、義援金並びに社会福祉寄付として支出致しました。以上、ご報告致します。

施餓鬼会に関すること

昨年の施餓鬼会に参拝された方から指摘がありました焼香の煙のことですが、香りだけで煙のほとんど出ない抹香を使用しました。確かに煙くはないのですが、役員さんからは、煙が見えないので回し焼香がどこらまで回っているのかわからなかった。参拝者からは、火が着いていないのでは、と言われたようです。導師用の香は薫じ物がありますので、今まで通りの香を使用しました。
また、役員あいさつに関しましても、「開会の詞」として簡潔に致しました。
来年以降も踏襲する予定です。

墓参用生花のこと

8月下旬、お盆に立てられたお墓の花が枯れてきたので片付けて焼却したのですが、ユリの花弁が石塔に張り付いて取りにくいことに気づきました。
ユリは豪華で綺麗ですが、本堂にあげて頂いた花にユリがあると、花粉が落ちたりして面倒なこともあります。
お寺に出入りしている花屋さんには禁止ではないのですが、本堂用・墓参用とも、原則としてユリは加えないようにお願いいたしました。
今後とも、施餓鬼会に関することだけでなく、ご忌憚のないご意見いただきますようお願い申しあげます。

ご案内

わかる仏教講演会

隔年で開催しています、鴻巣市仏教会主催の講演会です。
今年は、鎌倉円覚寺の管長『横田南嶺老師』においで頂くことになりました。
またとないチャンスです。
ご近所ご友人・知人お誘い合わせの上、多数ご来場下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。

日時 11月9日(木曜日)12時開場
13時30分開演
場所 クレアこうのす大ホール
講師 臨済宗円覚寺派
横田南嶺管長猊下
演題 『仰げば光あり』 

入場は無料ですが、入場整理券が必要となります。
整理券は善勝寺にあります。整理券は善勝寺にあります。お彼岸にお参りになった折りにでもお立ち寄り下さい。
当日、一階席にお座り頂くためには、早めのご来場をお勧め致します。

事務局からのお願いとお知らせ

  • 墓前に「お菓子」「果物」「缶ビール」「ペットボトル」などはお供えしないようお願いしております。
    瓶・缶・ペットボトル類も、お墓にそのまま置かないで、必ずご自宅にお持ち帰り頂きますよう、また、果物・お菓子などは、仏壇にお供えして頂きますようお願い致します。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売は致しておりません。当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。
    また、23日の彼岸法要には、受付を設けません。庫裡玄関で履物をビニール袋に入れ、本堂にお入りください。お供え、塔婆代は、本堂前机のお盆に、お供え願います。

本山花園会からのお知らせ

今年の施餓鬼会では、88歳の方2名、皆様の前で管長様のお祝いの言葉を読ませていただき、記念の品(輪袈裟)をお渡ししました。ご本人はもとより、ご家族の方もとてもお喜びでした。
来年は、大正8年生まれの方と昭和6年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられない方が対象になりますので、お申し出下さい。来年6月に本山に申請いたします。

編集後記

  • 「善勝寺だより」も今回100号をお届けすることとなりました。
  • 第1号は平成5年正月発行でした。
    A4用紙表面だけの簡単なものでしたが、今見ると、その頃のことが懐かしく思い出されます。
  • それから、25年休刊せず発行でき100号となりました。
  • 読んでもらえましたかと言ったら、4コマ漫画だけ見た、と言った方もありますが、和子(妻)のイラストと漫画が好評のようです。直接言えないのでここに書きます。「和子、25年間ありがとう!これからもよろしくね」
  • 次号は、年末号として年内に発送する予定です。それには平成30年度護持費のお願いと郵便振替用紙を同封致します。お早めに納入いただきますようお願いします。

(弘道)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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