本文へ移動

第105号 年末号(平成30年12月20日発行)

善勝寺だより 第105号
平成30年12月20日発行
発行責任者 明見弘道
日日新(ひびにあらたに)

今年2月、愛媛県宇和島の大乗寺僧堂において、齊会(さいえ)(法要)があり、私も出頭させて頂きました。その時の引き出物の一つにご当地名産の「タオル」を頂きました。その白いタオルには、老師様の書で「苟日新 日日新 又日新」と染め付けてありました。苟(まこと)に日(ひ)に新(あら)たに 日(ひ)日(び)に新(あら)たに 又(また)日(ひ)に新たなれ、と読みます。
タオルの箱に一緒に入っていた解説書をそのまま引用します。「儒家の古典、四書五経のうち『大学』という書物に出る言葉です。古代中国、殷王朝の初代皇帝湯王が、自らの水盤に鋳込ませた言葉であったといいます。

湯王は、日々生活に流され、惰性で暮らしがちな自身を悔いて、毎朝顔を洗う水盤にこの言葉を鋳込んで自らの戒めとしたのです。水盤に張られた新しい若水もそのまま放っておけば、いずれホコリが浮き、ゴミが沈み、濁りを生じ、やがて腐ってしまいます。
私達の内なる心の水も毎朝張りかえていかなければなりません。この言葉を胸に日々新たな気持ちを呼び覚まして暮らしたいものです。

毎朝顔を洗うたび、このタオルに染められた言葉をご覧になり、心新たにしていただけたら幸いに存じます。」
「日日是好日」という禅語もあります。「ニチニチコレコウニチ」と読みます。「今日は良い日であった、今日は良い日でなかった、毎日良い日でありますように」などということではありません。来る日、来る日、二度と来ることはない、かけがえのない日であるという意味であります。一日一日無駄にすることなく、毎日新たに生まれ変わった気持ちで、少しでも人から感謝されるような生活を送りたいものであります。
「ボーっと生きてるんじゃーねーよ」とチコちゃんに叱られないようにね。

最後になりましたが、皆様におかれましては健康に留意され、希望に満ちた良いお年をお迎え下さいますことを心よりお祈り申し上げます。

明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月21日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(火曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

平成31年正当年回表

壱周忌
平成30年
参回忌
平成29年
七回忌
平成25年
壱拾参回忌
平成19年
壱拾七回忌
平成15年
弐拾参回忌
平成9年
弐拾七回忌
平成5年
参拾参回忌
昭和62年
参拾七回忌
昭和58年
五拾遠年忌
昭和45年
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、法事の予約は3ヶ月前の1日から受け付けております。ご希望の日時が決まりましたら、お電話にてお問い合わせ下さい。

東光山ミニ法話

祈りの『延命十句観音経』
円覚寺派管長 横田南嶺老師著

常(じよう)楽(らく)我(が)浄(じよう)

前回「常楽我浄」のうち、常と楽でしたので、今回は「我」と「浄」です。
「我」。自分は一人で生きている、何でも自分の思うようになるという思い込みです。人間、調子の良いときにはそんな気にもなりますが、自分一人では生きていけませんし、世の中自分の思うようにはいかないものです。決して一人ではなくて、お互いいろんなところで関わり合って生きております。それを「無我」ともうします。

最後が「浄」。清らかです。二人一緒になって、あこがれの人と暮らして清らかな暮らしを夢見ます。実にそれは夢です。現実は、「浄」清らかではありません。「不浄」です。毎日毎日掃除洗濯をしなければなりません。
お釈迦さまは、このように世の中は無常である、永遠なものはない、もろくはかない。楽ではない苦である、苦しみに耐えねばならない。我の思うようには行かない、不浄であると説かれました。
これだけ聞かされますと、だから仏教は暗くて嫌だと、お若い人が敬遠なさるのも道理かと思います。クリスマスで楽しくやって、永遠の愛を誓いましょうと言っている方がよほど楽しかろうと思われます。
しかし、お釈迦さまは、真理をありのままに見つめて、無常の中で何が起こるか分からないと心して生きましょう。楽しい事ばかりでは無い、むしろ苦しみを耐えて生きる事に幸せがある。我独りでは無い、お互いに助け合って、わがままを通さずに譲り合って生きましょう。不浄ですから、お互いに毎日きれいにするように心がけて生きましょう、とお説きになりました。

無常である、苦である、無我である、不浄であるとみることは、ありのままにものを見ることにほかなりません。その方が肩の力が抜けて楽になります。
ありのままにみる、じつはこれほど難しい事はありません。どうしても私たちは自分の都合の良いようにものを見ています。

ありのままにものを見る智慧は、本来私達がもって生まれているものです。
お釈迦さまのお悟りは、あらゆるいのちあるものはみな仏心をもっているということに尽きます。この仏心とは、とりもなおさず、ありのままにものを見る智慧と慈悲とに表すことが出来ます。
ありのままにものを見る智慧とは、心は鏡のように、どんなものでもありのままに写し出すというものです。
それから次に、あらゆるいのちあるものはみな平等であるということです。
私達は普段何を見ても差別、区別して見てしまっています。
しかし、真理はみな平等です。いのちあるものは、それぞれの姿形の違いはあっても、みな平等だと分かる智慧です。
その次には相手のことがよく観察できる智慧です。相手の様子がよく分かる智慧です。そうして見えてきますと、その時その場でどう働いたらいいか具体的な智慧が働きます。

仏心は智慧と慈悲です。究極は慈悲の心を働かせてゆくことです。
「慈」は慈(いつく)しみ、思い遣り、相手に何かをしてあげたい、何かを差し上げたいと思う心です。
「悲」は悲しみです。相手が悲しんでいるのを見て一緒に悲しむ心です。そうして相手の悩み苦しみを何とか取り除いてあげたいと思う心です。

つづく

本山団参のこと

前回「善勝寺便り」で募集いたしました、本山団体参拝ですが、20名のの応募があり、11月5日・6日とお参りを済ませて無事帰ることができました。
5日午後2時に花園会館に集まり、春日の局の菩提所である「麟祥院」にて茶礼・拝観。続いて担当の和尚さんの案内で法堂・大庫裡などを拝観。花園会館に戻り、京料理を楽しみながらの懇親会。翌朝は、6時から開山堂などお参りした後、微妙殿にて団参諷経、法話を拝聴し、花園会館に戻り朝食。その後自由行動、昼食後解散しました。

平成31年度護持費納入の件

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。いわば、善勝寺檀信徒の年会費であります。
檀徒の方と本堂にご遺骨を預けておられる方は、規定により必ず納めて下さい。檀徒の方は、本山妙心寺の花園会員として登録しておりますが、本山花園会費、教区花園会費も、護持費より支払っております。
永代供養墓「合同船」へのお申し込みの方、他の霊園などに墓地のある方は、納入義務はありませんが、ご協力頂ければ幸甚に存じます。

平成31年度の護持費の納入期限は、同年3月末日となっていますが、お早めにお振り込みくださいますようお願い申し上げます。

尚、郵便局での「振替払込票」を以て、領収書とさせて頂いておりますが、この用紙は、1年間は保管下さいますようお願い申し上げます。
尚、過年度分が未納になっておられるかたは、加算して納入下さいますよう重ねてお願い申し上げます。3カ年以上未納となった場合は、墓地使用許可を取り消すという規定になっております。ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

(役員一同)

ご案内

除夜の鐘と修正会

『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、百八撞き終わるのは0時半頃です。行く年に感謝し、来る年の無事を祈って心を込めて撞いて下さい。

観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意をしております。

正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。檀信徒皆様の一年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札《と年賀の品、ポスターなどを差し上げています。
今年も、別紙案内の如く3日の祈祷会に引き続き、新春落語会を開催します。
元旦・2日ではなく、是非3日に、ご近所、お友達をお誘い合わせの上、多数ご来山下さいますようご案内致します。

なお、お参りの際には年賀として、大人一人当たり「千円程度《ご用意頂きますようお願い申し上げます。
(年賀は、上祝儀用の袋ではなく、赤白の祝儀用をお使い下さい。)

役員会議事録より

9月23日午後四時より当山庫裡にて『臨時役員会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 故高橋進一氏宅地を購入する為、相続人と交渉する事を承認。
    以前の墓地拡張計画を見直し、この土地を含む計画案を作成する。

  2. 「合同船《紊骨規定一部変更の件
    当寺墓地使用者が、「合同船《を申し込む場合、改葬と同様生前申し込み者も15万円とする

  3. 行年を、来年5月1日より満年齢に改める事を申し合わせた。

  4. 彼岸会の塔婆料も施餓鬼会と同様6千円とし、供養料を含むものとする。
    また、本堂での法要を伴わない塔婆料も同様に6千円とする。

12月10日午後4時から、当山庫裡にて『定例総代会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告。今年度入檀者数と11月末日までの会計収支などを報告。

  2. 平成31年度行事・事業計画。
    行事は30年度に準じて行う。

  3. 「平成31年度一般会計予算《(案)が原案通り承認されました。

以上。

編集後記

  • 『善勝寺だより』年末号(105号)をお届けします。
  • 本山団参に参加された方には、今回初めて妙心寺にお参りされた方もおられましたが、皆さん一様に規模の大きさに驚かれたようです。
    皆さまも、京都に行かれた時には、是非本山妙心寺にお参り下さいませ。
  • お亡くなりになられたときの年齢を来年5月1日より原則として満年齢で記入しますが、1歳未満はゼロではなく月数を書くこととします。
  • 来年は、皆様にとってより良い年でありますように念じております。

弘道 合掌
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
TOPへ戻る