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第112号 秋彼岸号(令和2年9月7日発行)

善勝寺だより 第112号
令和2年9月7日発行
発行責任者 明見弘道
月は晴天に在り
水は瓶(へい)に在り

月は空にあって、水は瓶(びん)にある。という当たりまえの世界、ありのままの自然の姿です。
ありのままの自然の姿ほど有り難いものはありません。今まで当たり前だと思っていたことが、このコロナ禍で一変してしまいました。
世界中では、60万人以上の方がこのウイルスに感染して亡くなられ、日本でも1,300名以上の方が亡くなられています。
そして、多くの方が職を失い生活様式も変更を余儀なくされました。誠にお気の毒なことであります。
こういう時こそ、お互いに助けあい励まし合うことが何よりも大切です。
6月末、お盆(施餓鬼法要)の案内を郵送致しましたとき、青山俊董老師が書かれた「宇宙船地球号よ安泰なれ」という小冊子を同封致しましたが、お読み頂けましたでしょうか。
一部、ご紹介します。
善勝寺だより第112号 『新型コロナウイルスという人類共通の敵があらわれた今日、人種や国境を越え、世界が一つになって立ち向かうべきものを、逆に国同士が非難し合ったり、コロナ不安につけ込んでのさまざまな犯罪がおきたり……。
人間はどこまで悪で、愚かかと思いたくなる。ウイルスに人種差別も国境も性別も年令も貧富もない。つまらない人間の小さな是非のモノサシをかなぐり捨て、全人類が手をとりあい、人類のためばかりではなく、地球上に住むすべてのものの為に、地球環境をどうすべきかを、本気で考えるチャンスではなかろうか。』
皆様にも是非お考え頂きたく存じます。

さて、もうお彼岸になります。例年通り彼岸法要は行いますが、マスクの着用のまま本堂にてお参り下さい。また書院での茶礼はありません、各自飲み物をご持参頂きますようお願い致します。

ご案内

秋季彼岸会

下記の如く、彼岸法要を厳修致します。
檀信徒の皆様におかれましては、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

9月22日(火曜日)
午後2時より彼岸法要
法要終了後、住職の話
*受付はありません。

彼岸供養料、塔婆料(一基6,000円供養料含む)は、本堂内前机にお供え下さい。
(生花の販売はありません)
彼岸の塔婆を建てられる方は、前もって電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

東光山ミニ法話

『菩提和讃』
妙心寺派布教師会現代語訳

かかる時節(じせつ)を失わず
信心(しんじん)
注1 決定(けつじよう)注2 いたすべし
人人(ひとびと)賢(かしこ)き智慧(ちえ)
注3 あれば
春(はる)は万(よろず)の種(たね)を蒔(ま)き
秋(あき)の稔(みの)りを待(ま)つのみか
衣服(いふく)家宅(かたく)に至(いた)るまで
遠(とお)き計画(はからい)立(た)てながら
今をも知(し)れぬ後(のち)
注4 の世(よ)の
永(なが)き冥路(よみじ)
注5 を打(う)ち忘(わす)れ
空(むな)
注6 しく過(す)ごすぞ愚(おろ)かなり
無常(むじょう)
注7 の風(かぜ)に誘(さそ)われて
忽(たちまち)ちこの世(よ)を終(おわ)るとき
何(なに)を頼(たの)みとなすべきや
あまた治(ち)産(さん)のあるとても
冥途(めいど)の用(よう)にはならぬもの
家財(かざい)重宝(じゆうほう)持(も)つ人(ひと)も
携(たずさ)え行(ゆ)くべき途(みち)ならず
偕老比翼(かいろうひよく)
注8 の契(かたら)いも
しばし浮世(うきよ)の夢(ゆめ)ならん
兄弟(きょうだい)朋友(ほうゆう)ありしとて
伴(ともな)い行(ゆ)くことさらになし

注1 仏の教えを信じて疑わない心
注2 もはや動じることなく信心が確立し、その信心に安住すること
注3 物事の真のあり方を正しく見極める認識力
注4 来世、死後赴く世界
注5 冥は光がなく暗いことを意味します。冥途も同じ
注6 この世の一生を無駄に過ごしてしまうこと
注7 物ごとが移り変わって少しもとどまらないこと。すべてのものは縁起によって生じたもの
注8 比翼連理などと同じで、ともに老いていくことを表す。愛情深く仲睦まじい夫婦の喩え

現代語訳 妙心寺派布教師会による

思いたったが吉日です。心を決めて我が心の「ほとを」を信じましょう。人はそれぞれいかに生きるかを知っているので、春に種を蒔き秋の収穫を待つだけでなく、衣食住の心配も遠い先の事までいろいろ手だてを模索しています。しかし、今にも息を引き取らなければならないことなど思いもせず、のんびりしていてよのでしょうか。
常に移ろいとどまらぬ現実にあって、突然死を迎えたそのときに一体何を頼りにしたらいいのでしょう。
多くの資産があったとしても死ぬときの何の役にも立ちません。どんな宝も持っては行けません。
夫婦仲良く愛し合うのも、わずかなあいだのゆめのようです。
家族や友達だって一緒にあの世まではつきあってくれません。

(続く)

施餓鬼会無事終わりました

先月の施餓鬼法要には、多数ご参拝頂き誠にありがとうございました。
今年は新型コロナウイルス感染拡大で諸行事が中止や延期となるなか、施餓鬼法要をどうしようかと思いましたが、本堂の中に入ってのお参りは新盆をお迎えの家族の方のみとして頂き、なんとか三密を回避できました。
何がともあれ無事にお盆の行事を終えることが出来ました。これもひとえに、暑い中準備から後片付けまでお骨折り頂きました、役員と青年部の皆さんのおかげであります。この場を借りて御礼申し上げます。

今年の施餓鬼会では、およそ1,400基の塔婆の申し込みがありました。
一基につき6,000円納めて頂きましたが、そのうち3,000円を塔婆代として、残り3,000円は、施餓鬼会供養料として一般会計に入金致しました。
その一部を洪水、台風などの災害見舞金として本山花園会へ、そして、義援金として、日本赤十字社などに寄付させて頂きました。有り難うございました。

また、コロナの関係などでお参りされなかったかたの塔婆は、16日17日にそれぞれのお墓にお建てしお参りしておきました。

善勝寺からのお願い

次回、善勝寺だより「年末号」は、12月下旬にお届けしますが、封筒は横書きになり護持費納入用紙(コンビニ振り込み)とともに送ります。
当方の事務的なことですが、檀信徒名簿のデーターが、今回のように直接封筒に印刷するときとは別になっており、今回の「彼岸号」は届いたのに、「年末号」は届かないといったケースが稀にあります。

もし、次回「年末号」が年内に届かなかったときは、ご連絡下さいますようお願い致します。

今ここをどう生きるか

横田南嶺老師(鎌倉円覚寺管長)と 塩沼亮潤大阿(あ)闍(じや)梨(り)(仙台市慈眼寺住職)おふたりの対談が本になりました。
その本のタイトルが「今ここをどう生きるか」(春秋社)です。
(今回のお勧め図書です。多くの方に読んで頂けたらと思います)
この「善勝寺だより」は檀信徒の皆様の他、ご縁頂いています寺院、友人知人にも発送しています。
大変僭越ながら、円覚寺の管長猊下(げいか)にも送らせて頂いております。猊下からはその都度丁寧なお手紙と円覚寺の冊子やご本が同封されており恐縮しております。6月にお送り頂いたのがこの本です。
対談ですので多岐にわたる内容ですが一部ご紹介します。

ユーモアと品格(要約)

Y:人生において、ユーモアは大事ですよね。
S:とても大事だと思います。
Y:私も法話はユーモアから入ります。
難しい話を難しい顔して辛抱して聞いても、それは何も入りません。まず楽しいなと笑っているうちに、一言でも二言でも何かが残ってくれれば十分と思って話しているのです。
S:私はいつも笑っていますね。
千日行者とか阿闍梨とかいうと厳しいイメージがあるようなんですが、楽しい話とかジョークが大好きで、私の周りはいつも笑いに包まれているんです。
発展途上の国に支援に行った人が気づくことは、みんなに笑みがあるということです。お金もないし、ご飯も沢山食べられないというのに、自殺率は何パーセントだと思いますか。ゼロなのですよ。
笑いは、人と人の心を繋ぐ潤滑油です。広くは世界の平和も大事ですが、まずは身近のところからの平和です。その点と点が線でつながれば、世界平和につながるでしょう。よく、目くじら立てて理論武装して世界平和を語っているのを見ると、もったいないと思うんです。
Y:平和運動は戦争の始まりとも言いますからね。
S:そう言われます。不幸なことです。

編集後記

  • 「善勝寺だより」112号をお届け致します。
  • お盆が終わってホッとしていると、もうお彼岸です。時は人を待ってくれません。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売は致しておりません。当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。
  • 隣のコンビニ「ローソン」では、常時切り花の販売をしています。ご利用下さい。
  • 彼岸法要には、各自マスクと飲み物お忘れなく。
  • 次号は、年末号として年内に発送する予定です。それには令和3年度護持費のお願いと、コンビニ専用の振替用紙を同封致します。お早めに納入いただきますようお願いします。
  • 次号が年内に届かなかったら、ご面倒でもご一報下さい。

(弘道)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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