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第117号 年末号(令和3年12月20日発行)

善勝寺だより 第117号
令和3年12月20日発行
発行責任者 明見弘道
「隣のレジは早い」

檀信徒の皆様には、如何お過ごしでしょうか。この2年回コロナコロナで明け暮れましたが、マスクや手洗いは履行しながらも、心だけは晴れ晴れと新年を迎えたいものです。
先のタイトルは、先月10日、読売新聞「編集手帳」にあったものです。

【「隣の芝生は青い」と聞いて意味のわからない人はそうはいないだろう。
念のために記すと、他人をうらやましく思う心象の描写である◆ただ、この言葉は輸入品で、芝生のある家は日本に少なく、身近な景色とは言いがたい。そこを難なくクリアした軽妙な言い換えを、僧侶の江田智勝昭さんの近刊『お寺の掲示板 諸法無我』(新潮社)に接した。
「隣のレジは早い」◆隣のレジの人たちが支払いを済ますと、損をした気持ちになったり、いらいらが募ったり。だがもし隣にレジがなければ、何も思わず買い物を済ますことができる◆芝生、レジ…どちらで考えるにしても、他者との比較は世界中で古くから続く人の悩みであるらしい。とはいえ、視野を隣どころでなく無限に広げたのがSNSだろう。ベストセラーになったA・ハンセン『スマホ脳』で著者は、他者の生活の情報が次々に飛び込んでくるSNSを利用しているほど、人生に満足していないと述べている。多くの若者が自分は魅力的でないと感じ、失望を抱いているとする調査があるそうだ ◆そんなことないよ、と励ます機能は必要ないだろうか。

何かに付けすぐパソコンやスマホで検索するのは日常当たり前のこととなっていますが、中には特殊な例のことをそれが当たり前と思いこんだり、コマーシャルにのせられてしまったり、便利な反面落とし穴もあります。
ツイッター、フェイスブックといったSNSと言われるものも、自分を良く見せようとしたり、他の人が投稿した内容を見て羨ましく思ったりで、息抜きのつもりがかえってストレスになることがあります。
ご用心 ご用心

弘道

令和4年正当年回表

壱周忌
令和3年
参回忌
令和3年
七回忌
平成28年
壱拾参回忌
平成22年
壱拾七回忌
平成18年
弐拾参回忌
平成12年
弐拾七回忌
平成8年
参拾参回忌
平成2年
参拾七回忌
昭和61年
五拾遠年忌
昭和48年
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、法事の予約は3ヶ月前の1日から受け付けております。
ご希望の日時が決まりましたら、お電話にてお問い合わせ下さい。

東光山ミニ法話

『舎利礼文』その3

舎利礼文(しゃりらいもん)(全文)
一心頂礼(いっしんちょうらい) 万徳円満(まんとくえんまん)
釈迦如来(しゃかにょらい) 身心舎利(しんじんしゃり)
本地法身(ほんじほつしん) 法界塔婆(ほつかいとうば)
我等礼敬(がとうらいきよう) 為我現身(いがげんしん)
入我我入(にゅうががにゅう) 仏加持故(ぶつがじこ)
我証菩提(がしょうぼだい) 以仏神力(いぶつじんりき)
利益衆生(りやくしゅうじよう) 発菩提心(はつぼだいしん)
修菩薩行(しゅうぼさつぎよう) 同入円寂(どうにゅうえんじゃく)
平等大智(びょうどうだいち) 今将頂礼(こんしょうちょうらい)
【意訳】(前半)

一心に礼拝(らいはい)いたします。あらゆる美德を具(そな)えられたお釈迦さまを。
お釈迦さまのご遺骨、お釈迦さまの悟られた真理、お釈迦さまの供養塔を心から礼拝します。
このように礼拝しますとお釈迦さまは私たちのためにお姿を現(あらわ)されるだけでなく、私たちといっしょにいてくださいます。

『舎利礼文』を読み進めてまいりますと、「入我我入」という文言がでてきます。直訳すれば「我に入り、我が入る」となります。専門的なことはさておき、「仏が我に入り、我が仏に入る」という具合に「仏」を挿入していただくと、わかりやすくなると思います。別々のように見える「我」と「仏」とが溶け合った姿、つまり仏さまと一つになるのが「入我我入」の境地です。
東洋哲学者・鈴木大(だい)拙(せつ)博士は、仏教思想や禅を世界に紹介したことで名を知られます。大拙博士と岡村美穂子氏(博士の最晩年に師事した)との出会いのエピソードを紹介いたします。
当時82歳であった先生は、コロンビア大学付属のホテル・アパートメント、バトラー・ホールに住んでおられました。
(中略)
そんなお部屋の窓ぎわには、アフリカ菫(すみれ)が陽(ひ)の当たるほうを向いて優しく咲いていました。机上のタイプライターと電話機、大拙先生のスッキリとした服装と流(りゆう)暢(ちよう)な英語、私は時代の渾(こん)然(ぜん)とした融合調和に、とまどいと憧(しよう)憬(けい)を感じないではいられませんでした。
「人が信じられなくなりました。生きているのが空(むな)しいです」
おさげ髪の一少女のこの訴えを聞いて、先生はただ「そうか」と頷(うなず)かれた。
否定でも肯定でも、どちらでもない言葉だと思いました。が、その一言から感じられる深い響きは、私のかたよっていた心に、新たな衝撃を与えたのではないかと、いまにして鮮明に思い出されます。
先生は私の手をとり、その手のひらをひろげながら、「きれいな手ではないか。よく見てごらん。佛の手だぞ」そういわれる先生の瞳は潤いをたたえていたのです。

(岡村美穂子・上田閑照「思い出の小箱」から)
岡村氏はアメリカに生まれ育ちました。渡米中の博士と出会ったのは15歳ぐらいの頃でした。思春期を迎えた人間として、人生や世の中に対して疑問を持つ時期でもあります。「人が信じられなくなりました。生きているのが空しいです」は切実な悩みだったことでしょう。
人が信じられない。こんな人生などつまらない、生きていく価値などない。そういう疑問のまっただ中で、大拙博士の真実の教えに触れました。
「きれいな手ではないか。よく見てごらん。佛の手だぞ」の一言が彼女に与えた衝撃は測り知れません。大拙博士が教えたのは「あなたは仏だぞ。何も不足はない」ということです。
つまり「他人を信じるか信じないかを論ずる前に、あなたはあなた自身を信じればよい」と教えているのです。なぜなら、私たちは仏さまと一つなのですか。

(つづく)

役員会議事録より

12月11日午後5時から、善勝寺庫裡に於いて、全役員出席のもと、来年度の予算を審議することを主な議題として『定例役員会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告。
    今年度入檀者数と11月末日までの会計収支などを報告。

  2. 令和4年度行事・事業計画。
    除夜、修正会は行うが、3日の落語会は今年も中止とする。
    施餓鬼会は令和3年と同様に行う。
    その他の年間行事に関しては、住職の判断で案内する。

  3. 「令和4年度一般会計予算」(案)は、原案通り承認されました。

以上。

善勝寺護持費納入のお願い

護持費納入は 『コンビニ』で!

護持費は、善勝寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。
檀徒の方と本堂にご遺骨を預けておられる方は、規定により必ず納めて下さい。永代供養墓「合同船」をお申し込みの方、他の霊園などに墓地のある方は、納入義務はありませんが、ご協力頂ければ幸甚に存じます。
領収書のことですが、各コンビニ、または郵便局で渡されます「払込受領証」を以て、領収書とさせて頂いております。1年間は保管下さいますようお願い致します。

納入期限は、3月末日です

「コンビニ」からの振り込みは、4月1日以降は納入できませんが、同封の用紙は郵便局での取り扱いも可能です。何かの理由で3月31日までに納入できなかった方、また近くにコンビニがなく、郵便局で納入を希望される方は、この振替用紙をお使い下さい。

護持費は、年額5,000円ですが、これまで未納がある場合は、加算して記入されています。
また、今回振込用紙が2枚重なって入っていた場合は必ずご一報願います。

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けますのでご連絡下さい。
令和4年は、昭和10年生まれの方、大正12年生まれの方が対象です。

編集後記

  • 『善勝寺だより』年末号(117号)をお届けします。
  • 『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、百八撞き終わるのは0時半頃になります。
  • 正月元旦から3日まで、午前10時より『修正会』大般若祈祷を行います。
    檀信徒皆様の一年の無事を祈る行事です。多数ご参拝下さいますようご案内申し上げます。
  • 来年は、コロナも収まり、皆様にとってより良い年でありますように念じております。
    令和4年が皆様にとってより良い年でありますように念じております。

弘道 合掌
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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