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第118号 春彼岸号(令和4年3月11日発行)

善勝寺だより 第118号
令和4年3月11日発行
発行責任者 明見弘道
春入千林処々花

「春は千林に入り処々の花」

春になれば、どこの林でもいたるところに花が咲き乱れている。という禅語です。
善勝寺の境内を犬を連れて散歩してますと、あちこちで春の訪れを感じることができます。
檀信徒の皆様におかれましては、如何お過ごしでしょうか。
長引くコロナ感染が蔓延の中ではありますが、閉じこもってばかりでは心身ともに落ち込んでしまいます。少しの時間でも散歩に出かけて、春の花を愛でていただければ、「なんとかなるよ」という大自然の声を聞いていただけることと思います。
さて、私は平成4年の4月に晋山式(住職になったことを告げる式典)をしましたので、今年で30周年となります。
おかげさまで無事30年務めることができましたのも、これまで寺のためにと骨折っていただきました多くの役員様を初め、檀信徒の皆様のご協力のたまものであります。本当にありがとうございました。
講演会など、30周年の記念行事をとも思いましたが、今の状況ではこれも難しく、役員と青年部とそれぞれ祝宴をもうけることとしております。
「今後さらにいっそう努力して寺のために」、と言いたいところではありますが、古稀を迎えた体です、正直そろそろ新住職を迎えて、私は隠居したいと思っております。役員の内には、「皇室の継承問題より、我が寺の住職の継承問題の方がよっぽと気がかりだ」と言ってる方があります。

涅槃衣(ねはんえ)(旅立ちの時着る麻の白い衣と袈裟)頂相(ちんそう)(賛(さん)の入った肖像画)卵塔(らんとう)(墓)遺偈(ゆいげ)(辞世の句)ですらできておるのに、肝心の後継者が決まらないのでは話になりません。
後継者と円満にバトンタッチができてはじめて、住職としての任務が完成となります。
「善(よ)きご縁」がありますようにと願っております。

弘道

ご案内

春季彼岸会

下記の如く、彼岸法要を厳修致します。
檀信徒の皆様、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

3月21日(月曜日)
午後2時より彼岸法要
法要終了後 住職による法話
3時頃終了予定。


彼岸供養料、または塔婆料(供養料と併せて1基6,000円)は、本堂前机のお盆にお供え下さい。
また袋には必ず施主のお名前をご記入下さいませ。受付は出しません。
彼岸の塔婆は、電話かFAXまたはメールでお早めに申し込み下さい。(temple@zensyoji.or.jp
その時、施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。
尚、お参りの方は、マスクを着用して本堂にお入りくださいますようお願いいたします。

東光山ミニ法話

『舎利礼文』その5

舎利礼文(しゃりらいもん) (全文)
一心頂礼(いつしんちょうらい) 万徳円満(まんとくえんまん) 釈迦如来(しゃかにょらい)
身心舎利(しんじんしゃり) 本地法身(ほんじほっしん) 法界塔婆(ほっかいとうば)
我等礼敬(がとうらいきよう) 為我現身(いがげんしん) 入我我入(にゅうががにゆう)
仏加持故(ぶつがじこ) 我証菩提(がしょうぼだい) 以仏神力(いぶつじんりき)
利益衆生(りやくしゅうじよう) 発菩提心(はつぼだいしん) 修菩薩行(しゅうぼさつぎよう)
同入円寂(どうにゅうえんじゃく) 平等大智(びょうどうだいち) 今将頂礼(こんしょうちょうらい)

 
【意訳】(後半)
仏の大いなるお心によって、私たちは悟りを得ることができ、仏の素晴らしい力によって、世の人々はすべて幸せへと導かれます。菩提心(ぼだいしん)を起こし、未来の仏としてなすべきことをなし、お釈迦さまと同じ円満なる安らぎの境地に入りましょう。誰にでも等しく具(そな)わる仏の智慧を、今まさに礼拝いたします。

発菩提心(はつぼだいしん)
(菩提心を起こしましょう)
仏様と一つになって生きることが、私たち仏教徒のあるべき姿であり、そこへ向かうために不可欠なのが「発菩提心」、すなわち菩提心を起こすことです。
菩提心には二面あります。一つはどこまでも自己を磨いていく向上心(自利心)、もう一つは人様のために役立ちたいという心(利他心)です。この二つはコインの裏表のようなもので、どちらか一方が欠けていてはいけません。
鎌倉・円覚寺の管長をお務めになられた朝比奈宗源(あさひなそうげん)老師の若かりし頃に、こんな出来事がありました。
『浄智寺(鎌倉)にいたとき大雪の降ったことがある。京都の竹はしなやかだが、関東の竹は雪折れする。「ああ初めて竹の折れる音を聞いた」なんて、わしは呑(のん)気(き)に友達と漢詩なぞ作り合っていた。そこへ師匠の堯道(ぎようどう)老師が雪を蹴(け)ってお帰りになった。「どうした竹は」「はい、大(だい)分(ぶ)雪折れしております」「ばか、ふるうんだ」。わしは吃驚(びつくり)して飛び出すと、夢中で竹藪の竹をふるいはじめた。何しろ貧乏寺の浄智寺にとって、裏山の竹は当寺貴重な財産だったからなあ。
ところがふと気づくと、深い雪の中で足を取られて、わしがよろけたり、ころげたりして偶然腰や肩が触れた竹も、そのはずみに葉先の雪がこぼれると、さ、さ、さ、さ、と弾力的に頭をもたげはじめ、やがてさあーっと美(み)事(ごと)に全身の雪をふるい落として、自分の力ですっくと立つのだ。
わしはその時自分は将来宗教家として、無意識に触れた人にも、その人の迷いや悩みを払い落とす力となって、喜んでもらえるような、そういう人になりたいものだと、願を立てた。縁ある限り、人を明るく、より豊かにしたいものだと、心に決めた。』

朝比奈宗源『人はみな仏である』春秋社
今にも折れそうな竹に向かって一心に駆け出す姿に、どこまでも自己を磨きたいという心と、他のために役立ちたいという心の両面を見ることができます。
「無意識に触れた人にも、喜んでもらえるような人間になりたい」というお気持ちがありがたいですね。まさに自利と利他がぴたっと一つになった菩提心のお手本だと思います。(続く)
転法社「仏さまと一つになるお経」より

護持費納入のお礼とお願い

昨年12月に、令和4年度分護持費の納入をお願い致しましたところ、早速大多数の方にお納め頂きました。お礼申し上げます。
尚、当寺に墓地(合同墓地を除く)を取得されておられる檀徒の方、また、本堂内にご遺骨を預けておられる方で、令和4年度分の護持費がまだ未納の方は3月末日までには必ず納入下さいますようお願いいたします。
過年度の護持費が未納の方は、過年度分と合計した金額を納入して頂きますようお願い申し上げます。

当寺よりの領収書は発行致していません。お振り込み頂いた時の受領書をもって領収書に替えさせていただきます。保管下さいますようお願いします。

コンビニでの納入は、3月31日までしか通用しません。
4月1日以降は、郵便局での納入となります。


今年も、コンビニと郵便局どちらでも通用する用紙にしましたが、会計処理の面ではコンビニだけの方が楽ではあります。近くにコンビニがない方以外は、今後はできるだけコンビニからにして下されば有り難いのですが……。
ご協力のほどお願い致します。

よくある質問のコーナー

喪服はいつまで着るのでしょうか?

「今度の3回忌の法事にみんな平服で行ってもいいでしょうか?」
「喪服は何回忌まで着るのですか?」


こんな問い合わせもよくあります。
以前のようにご親戚など多数集まっての法要であれば、喪服が当然というコンセンサスがありましたが、昨今は近親者だけで行うことが多くなり、身内だけならわざわざ喪服着ないでもいいか、となります。
決まりはありませんが、3回忌以降は、皆で話し合って平服にとなれば、それはそれでよろしいかと思います。

お墓の引っ越しの仕方は?

檀家の奥様からの問い合わせです。
「実家のお墓の跡継ぎがいなくなり、両親・兄弟・祖父母の遺骨をこちらのお墓に移すことは可能でしょうか、また、費用はいくら掛かりますか?」
最近このような悩みを聞くことが多くなりました。

まず納骨の件ですが、善勝寺の「墓地使用規則」では、親族の方であれば、姓(名字)が異なっても納骨できることになっています。ただしこれには、名義人の方を初め、ご家族の方の同意を得ることが大切です。同意を得るのが難しいようであれば、当寺の「永代供養合同船」をご検討ください。

事務手続きとしては、改葬元(現在お墓のあるところ)の市区町村で改葬許可申請書をもらい記入します。現在の墓地管理者の印も必要です。
当寺から発行した、墓地使用許可書、または合同船納骨承諾書を持って役所に行って「改葬許可書」をもらいます。

次に費用のことですが、現在あるお墓の「閉眼(魂抜き)供養」のお布施と、これまで長年お世話になった寺へのお礼としてお気持ちで数万円。
改葬するのですから、そちらの寺での「永代供養」は不要です。
墓地は更(さら)地(ち)にして返却することになりますが、墓石の撤去費用などは、業者に見積りしてもらってください。

当寺の一般墓地に納骨する場合は遺骨1体につき1万円の「納骨事務手数料」と、本堂での追善法要と墓前での納骨諷経などで3~5万円のお布施をお願いしております。

永代供養「合同船」に納骨される場合は、遺骨一体につき20万円となりますが、墓誌にそれぞれの戒名を刻まないで〈○○家先祖代々之霊〉とすれば、何体であっても20万円です。

それぞれご事情が異なりますので、お気軽にご相談においで下さい。

編集後記

  • 『善勝寺だより』春彼岸号をお届け致します。
  • 「まさかこんなにも長くコロナ禍が続くとは、想像だにしていませんでした。」とは去年の春彼岸号の文章です。
    一年後の今、「まさかこんなに続くとは」です。
    今回は特に保育園・小中学校の休園休校が増え、保護者の方々への影響が大変のこととお察し申し上げております。
  • 墓参用の生花のことですが、寺での販売は8月13日施餓鬼会のみです。
    隣のコンビニ「ローソン」では、常時販売しています。ご利用下さい。
  • 次回お盆号は、6月の下旬発行予定です。
  • 施餓鬼会、お盆に関することは、次号『善勝寺だより』にてご案内致しますので、これをお読み頂いたうえ、お問い合わせ下さいますようお願い致します。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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