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第124号 秋彼岸号(令和5年9月12日発行)

善勝寺だより 第124号
令和5年9月12日発行
発行責任者 明見弘道
涼しさや
荷を下ろしたる 裸馬

皆様にはいかがお過ごしでしょうか?
暑かった夏もようやく終わりやっと秋らしくなってきました。

今年は特に暑かったせいか、(年のせいでもありますが)未だに夏バテから立ち直っていません。
でも、今朝外に出てみますと涼しさを感じる空気、刷毛(はけ)で掃いたような雲、くっきりとしてきた遠くの山々。
久々にスカッとした気分を味わいました。
暑い中重い荷物を背中にしょって歩んできた馬も、その荷物を下ろした時一陣の清風、なんともいえないすがすがしい気持ちを歌ったのが右の句です。
もちろんこれは馬のことではなく、私たち一人ひとり重い荷物を背負(しょ)って生きていますが、たまには荷物を下ろしての一休みも大切かと思います。時々荷物の点検も大事です。一服して再び背負って出発することになるのですが、鋭気を養っての出発となれば、幾分荷物も軽くなるのではないでしょうか。

さて、先月の施餓鬼会には多数ご参拝下さり、誠にありがとうございました。今年も暑かったのですが無事終えることができました。
前日の準備から当日の後片付けまで、役員・青年部の皆さんご苦労様でした。おかげをもちまして大過なく終了することができました。
青年部が駐車場係になっていましたが、午前中はほぼ満車の状態でテキパキと誘導して頂き誠にありがとうございました。今年はそのお子さん高校生の方2人も加わって、親子孫と三世代参加でお手伝い頂きました。善勝寺の未来に明るさを感じた次第です。

ご案内

秋季彼岸会

左記の如く、彼岸法要を厳修致します。
檀信徒の皆様におかれましては、多数ご参拝下さいますよう謹んでご案内申し上げます。

9月23日(土曜日)
午後2時より
彼岸法要
法要終了後、住職の話
3時終了予定。

*受付はありません。

彼岸供養料、並びに塔婆料(1基6,000円供養料含む)は、施主名をご記入のうえ、本堂内の前机にお供え下さい。
彼岸の塔婆を建てられる方は、前もって電話やFAXまたはメールでお申し込み下さい。
なお、そのさい施主名のほか、戒名、お参り予定日もご記入願います。

禪とは何か

皆様は「鈴木(すずき)大拙(だいせつ)」との名前を聞かれたことがおありでしょうか。
本名は「貞太郎」1870年、金沢市生まれ。東京帝国大学在学中に円覚寺にて参禅し、大拙の道号を受ける。97年渡米「禅と日本文化」を発表。
帰国後、学習院、東京帝国大学、大谷大学で教鞭を執るほか、英文雑誌を創刊し、海外に仏教や禅思想を発信した。
1936年、世界信仰大会に日本代表として出席。イギリス、アメリカの諸大学で教壇に立った。66年没。「鈴木大拙全集」全40巻(岩波書店)がある。
以上「角川文庫」新版カバーより

の大拙氏が、昭和2年から3年に大阪妙中寺で行われた計10回の講演の記録に基づいて昭和五年に出版されたのが初めで、出版社が変わっても今日に至るまで版を重ねてきました。

私の手元にある「禪とは何か」は角川文庫のものです。

さて、私は京都の花園大学で仏教学および禅学を学び、禅を世界に広めた人と言えば鈴木大拙と当たり前のことでした。禅学の講義に大拙の名前が出てこないことはないほどでした。
当然入門書ですので「禪とは何か」も読んだと思いますが、ほとんど記憶にありません。そして50年ぶりにこの本を読んだのですが1回目はスラスラ読めました。
ところがこれはちょっと待てよ、となってからは、2回目、3回目と益々これは奥深いなと思うようになり、何度も同じ所を読むようになりました。

ちょうどその頃、鎌倉円覚寺の横田南嶺管長老師が「鈴木大拙一日一言」
横田南嶺監修・蓮沼直應編(致知出版社)を送って下さいました。

今後、この2冊の本を参考にして、「鈴木大拙の禪とは何か」を皆様方に紹介できたらいいなと思っています。

これからの文章は、昭和2年という時代背景でのお話としてご理解下さい。
また、要点を抜き出しての文章ですので、前後の文章とうまくつながっていないこともあると思いますが、ご理解願います。

鈴木大拙の禪とは何か その1

宗教とは

はじめに、社会的事象として宗教を見るなら、一つの制度とも見られます。本山と末寺、檀徒、信徒というように組織づけられていて、組織の上から社会生活を構成する1分子であります。

今日だいぶやかましい問題になっている宗教法案というものも宗教を一つの社会生活の1事象と見て、初めてその必要が発生したものと考えられます。

次に、宗教を儀式の面から観察すると、経文の読み方、服装とか作法、お祭りなどと儀式のない宗教は宗教でないともいわれています。

禅宗ではよく「本来無一物」などというから、本来無一物のところになにゆえに煩雑なる儀式が必要なのかと、世間では疑う人もあるが、いかにしても宗教には儀式が不可欠であります。
また寺院の建築なども一つの儀式と見られます。キリスト教イスラム教その他の宗教と仏教の寺院建築とを比較するとその内面的差異が直ちに建築物という外形にも顕れています。その各宗教的感情生活の相違が如実に形骸(けいがい)の中に包まれているということは、宗教の特殊性を知る上に誠に便宜でもあり興味あることでもあります。

また宗教は知的方面から観察することもできます。宗教と知性とは不可分離のものです。では知性それ自身のみで宗教であり得るかといえば、社会的活動や儀式のみが全幅でないのと同じであります。けれども宗教はどうしても知性、哲学の力を多少なりとも借らねばならない関係のもとにあります。
次に、宗教と道徳との関係です。宗教と道徳とはどちらがより根本的なものであるか、または宗教は従であって道徳が主であるとか、またはその反対であるとか、多くの議論があります。
本来宗教は道徳ではないのであります。
しかし、道徳をことごとく破壊し去ったところに宗教があるとはいえません。
善人が必ずしも立派な宗教家ではなく、立派な宗教家だからといって必ずしもその時代にその人が善人として通るものとも限りません。
以上は宗教に対する観察上の四つの立場を示したものでありますが、これらの要素をいかにうまく混ぜ合わせても決して宗教を成立させることはできません。ここに今ひとつ大切な要素があります。そしてこれこそ宗教の本体を形成する。最も重要なる要素をなすものであります。
自分はこの要素を宗教経験という名題のもとに説いてみる考えであります。

(続く)

善勝寺からのお願いです

もし、次回「年末号」が年内に届かなかったとき。あるいは振り込み用紙が2枚重なって他の方の分と共に入っていた場合がなありましたら、お手数ではありますが、是非ご連絡下さいますようお願い致します。
また、寺の事務的管理の都合上、できる限り最寄りのコンビニから3月末までにお振り込み下さいますようお願いします。他の金融機関や、インターネットバンキングなどから振り込まれる場合の口座番号は、

ゆうちょ銀行ゼロゴキュウ店(059)
当座 0060592「善勝寺」です。
「時には何もかも忘れ去って吹く風の涼しさに身を委ねてみたい。」

人生を照らす禅の言葉 南嶺老師著より

クリタ石工芸社長逝去

クリタ石工芸社長栗田実様は、8月18日、交通事故が元で急逝されました。栗田さんは、小柄な方で、フットワークが軽く施主の希望を聞き入れた墓を建立させ、人気の石材店でした。
業務の引き継ぎは(有)志楽社が引き受けることになりました。

大宮区堀之内町3-319-2
Tel 050-3171-8877
担当は澤木さんです。

蜂の巣にご注意!

この時期スズメバチがお墓の香炉や灯籠、周りの生け垣に巣を作ります。

先日も納骨のためにお参りしたお墓の2区画隣、香炉から盛んに蜂が飛び回っていました。興奮させなければ襲って来ることはないのですが、いきなり香炉に手を入れると危険です。ご注意下さい。
お知らせ下されば退治します。
「危ないよ」と言われますが毎年のことで慣れました。右手にハチ用のスーパージェットを持ち、3メートル程離れて噴射します。左手にはカやハエ用のスーパージェットを持ち、逃げたハチが戻ってきたところを退治するという二刀流でやっています。

仏事に関すること何でもご相談下さい

わからないのが当たり前です、遠慮しないで何でも聞いて下さい。
墓じまい・永代供養・戒名の生前授与・葬式のお布施・葬儀社の紹介 など。

編集後記

  • 「善勝寺だより」第124号をお届け致します。
  • 今年の夏は本当に暑かったですね。皆さんの体調はいかがですか?
    お盆に引き続きとなりますが、お彼岸にもお参り頂きますようお願い致します。
  • 彼岸には、墓参用生花の販売は致しておりません。
    当寺での販売は8月13日のみです、ご了承願います。
  • 隣のコンビニ「ローソン」では、常時切り花の販売をしています。ご利用下さい。
  • 次号は、年末号として年内に発送する予定です。
    それには令和6年度護持費のお願いと、コンビニ専用の振替用紙を同封致します。
    お早めに納入いただきますようお願いします。
  • 次号が年内に便りが届かなかったら、ご面倒でもご一報下さい。

(弘道)
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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