本文へ移動

第33号 正月号(平成13年1月5日発行)

善勝寺だより 第33号
平成13年1月5日発行
発行責任者 明見弘道

謹んで新春のご挨拶申し上げます。

壇信徒の皆様には、お揃いで良いお年をお迎えのことと拝察申し上げます。

昨年は「龍が大空に舞い上がるような、活気あふれる年になりますように」と願ったのですが、なかなかそうはゆかなかったようです。
今年は、21世紀になったとか言って舞い上がらないで、巳年にあやかり、地面にはいつくばって、一人一人ねばり強く生きて行く、そういう不動の心を持ちたいものです。

さて、今年用意したポスターの標語は『親になることは容易だが、親であることは難しい』です。大人であることは難しいと読み替えても良いと思いますが、つくづくそう思います。
親であることとか大人であることというのは、いかなる時でも自分で自分の心をコントロールできることをいうのだと考えます。
子供は親など周りのものからご機嫌をとってもらったり、オモチャやアメなどをもらって周りの人や物で心をコントロールしてもらいます。肉体が大人でも、周囲の人や、物に頼らないと心をコントロールできない者は大人ではありません。
自分の心をコントロールするには常に心をリフレッシュする必要があります。そのリフレッシュする方法が『禅』です。『一日一度は静かに座って、身と呼吸を心を調えましょう』を生活信条として心安らかな日々をおくりたいものです。

最後に、壇信徒の皆様のご多幸と、明るい平和な社会となりますことを祈念申し上げ年頭の挨拶と致します。

平成13年元旦 明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月20日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(月曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

年回表

壱周忌
平成12年
参回忌
平成11年
七回忌
平成7年
壱拾参回忌
平成元年
壱拾七回忌
昭和60年
弐拾参回忌
昭和54年
弐拾七回忌
昭和50年
参拾参回忌
昭和44年
参拾七回忌
昭和40年
五拾遠年忌
昭和27年
今年、年回が当っておられますお宅には、法事の知らせを同封しました。
法事の予定はお早めにお立ていただきご連絡を下さいますよう、お願い申し上げます。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』

これまでこのコーナーは、禅語の解説を中心にしておりましたが、今年からは、法要の折り皆様にいつも読んで戴いています『白隠禅師座禅和讃』の開設を行うこととします。

白隠禅師といえば日本臨済禅中興の祖といわれる方なのですが、同じ禅の和尚さんでも「一休さん」「良寛さん」ほどなじみはないかと思いますそこで今回は白隠禅師とはどういう方であったかということをまずお話しします。
伝記によると禅師は、1685年(今から315年前)駿河(静岡県)の原という片田舎に生まれました。大変な虚弱児であり、ハイハイもものを言い始めるのも遅く、3歳のとき初めて立ち上がることができ、家中の人が手をたたいて喜んだといいます。
当寺はこれといった娯楽はなく、お寺に行って坊さんの話を聞くことは大きなレクレーションであった時代です。
彼もまた婆さんや両親に連れられてお寺に行って説教を聞くことが大好きな子でした。

ある時(10才の頃)お寺で、地獄の話を聞く羽目になります。ものすごい地獄の様相を聞いて、大変なショックを受けました。隣の柿を盗んだこと、蛙を踏みつけたこと、親にうそをついたことなどを思い出し、自分が死んだら地獄に落ちると、子供心にそう思ったのです。
そこで、「いずれ自分は地獄に行く、それを何とか免れたい」という一念で、天神様にお参りしたり、観音経を読んだりするようになったということです。
この頃から両親に「出家させてくれ」とねだり続け、14才の時、原の松蔭寺の小僧になりました。それから徹底した修行に修行を重ね、『駿河には、過ぎたるものが二つあり、富士のお山に、原の白隠』と歌われる、天下の大僧となられました。

妙心寺派のきわめて寺格の低い寺の住職として、一生を終えたわけですが、今日では世界的に知られた存在であり、年齢も性別も、人種も民族も、才能も社会的地位も越えて、全ての人々にとって、白隠さんは、いまなお大いなる教師と呼びうる人なのです。

参考図書
『お前は誰か』『見よ見よ』 元花園大学学長(故)盛永宗興老師著 禅文化研究所発行
(おすすめの図書)

一口メモ

俗名での葬儀

近頃、葬儀社からの依頼で葬儀に出頭すると、なかには戒名を付けないで俗名での葬式となります。これは善し悪し以前、菩提寺を持たない家庭が増えているための社会的現象としかいえないのですが、四十九日忌までには、菩提寺を定め戒名を授与していただくよう勧めています。
前にも書きましたが、仏式の葬儀とは佛弟子になる儀式であり、佛弟子としての名前、つまり戒名を頂くことは当然のことといえます。
ただ法外の戒名料を要求する寺があったりして、戒名料ということに対しての疑問も一部にあります。
また佛は平等であるはずなのに、戒名にランクがあるのはおかしいという意見にも一理あります。
善勝寺では今後、戒名のランクの問題や戒名授与に対する布施(戒名料)は検討する余地は有ると考えますが、壇信徒の葬儀には、戒名を授与することを前提として臨みます。また、当寺の墓地(合同墓地も含む)は戒名のない方の納骨を認めないことを原則とし、今回『墓地使用規則』にもこのことを明記することになりました。

花園会のコーナー

米寿の方はお申し出下さい

花園会員で米寿(数えの88才)をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が戴けます。但し本山に登録してある会員の方ですので、平成4年以前の壇徒、またはそれ以降、当山に墓地を求めて檀徒となられた方と、その同居の家族の方に限られます。
今年は大正3年生まれの方がその対象となります。対象者がおられましたら、3月末までに年齢が証明できる保険証などのコピーを善勝寺までお届け下さい。当寺で手続きいたします。

法要のお布施のこと

年忌法要などのお布施は、あくまでも布施として頂くのであり、読経料ではありません。従って金額を定めることは本意でないのですが、はっきり提示してほしいという方が多くなってまいりましたので、参考までに一応の目安を提示いたすこととします。
土曜日・日曜日の法事はできる限り善勝寺で営んでいただくようお願いしていますが、寺または、村内の自宅での法要の布施は3万円以上を基本とし、二霊の法事、開眼や納骨を伴う場合は5万円以上とします。村外に出向いての法要の布施は5万円以上を基本とさせていただきます。
当然、盆の棚経・祥月命日のお参りなどはこの限りではありません。また、家々の事情もおありでしょうから、どうか直接、気軽にお尋ね下さい。
住職個人が頂くのではありません。全て法人である寺の会計に計上し、役員合議のもとで運営し、施餓鬼会には皆様に決算を報告いたしております。

【大般若礼】のこと

昨年から「般若礼」は護持費納入者のみお届けすることと致しております。従って平成12年度護持費を納入いただいた方には今回同封いたします。
このお礼は、正月三日間、「大般若転読祈祷」といって、仏法興隆、五穀豊穣、社会の平和、山内と檀信徒皆様の無事を祈願いたしましたところの、お礼です。
このお礼は玄関などに貼られるか、仏壇にお入れ下さい。また、古いお札などは寺にお持ち下さるか、郵送いただければ、お焚き上げ致します。

【護持費】のこと

「護持費納入のお願い」をお読みいただければおわかりと思いますが、菩提寺を維持するため、壇信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願いいたしております。
善勝寺檀家、当寺に墓地がある方(合同墓を除く)以外は、納入の義務はありませんが、善勝寺より戒名を授与されている方、本堂に遺骨を預けておられる方は是非納入くださいますようお願いいたしますとともに、善勝寺にご縁のある皆様、一人でも多くの方のご協力をいただきますよう、伏してお願い申し上げます。

(役員一同)

役員会議事録より

12月4日、この時期恒例となりました役員慰安と親睦を兼ね、4年連続、湯ノ小屋温泉「洞元荘」を会場として、定例役員会が開かれました。
以下、決議事項を報告します。

  1. 現状報告。
    庫裏東の土地・北駐車場の整備、入壇者の数などを報告

  2. 平成13年度行事・事業計画。
    行事は例年に準じて行う。本堂正面向背の拡張、パンフレット改訂版作成の件など。

  3. 寺から壇信徒に対し寄付の要求をしないことの再確認。
    信徒の葬儀には戒名を授与することとし、戒名のない者は当寺墓地への埋葬を許可しないことを確認し、この二件を「墓地使用規則」とパンフレットに明記することを決定。

  4. 平成13年度会計予算の件
    総額6,115万円の予算書を原案通り承認
    基本財産として1千万円定期預金する事など申し合わせ。

編集後記

『善勝寺だより』正月号をお届けします。この数年暮れになると風邪をひき、除夜の鐘もろくにつけないことがあったのですが、この暮れは何とか元気にお正月を迎えられました。

昨年秋の彼岸以降、『インド菩提樹』の鉢をお分けいたしておりますが、35鉢ほどの菩提樹が壇信徒の皆様の家庭にもらわれました。冬のうちは家の中であっても余り元気でないと思いますが、ご安心下さい、春になると新芽が出てグングン元気になります。

私たち皆、一人一人菩提樹、つまり『悟りの樹』です。仏様が宿っています。大切に大事に育てていきましょう。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
TOPへ戻る