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第39号 お盆号(平成14年6月25日発行)

善勝寺だより 第39号
平成14年6月25日発行
発行責任者 明見弘道
暑中お見舞い申し上げます。
檀信徒の皆様におかれましては、益々ご壮健にてお過ごしのことと拝察申し上げます。

毎年この時期になりますと、施餓鬼會のことで頭がいっぱいになります。住所録の追加、見直し、印刷物・供物の発注などなど。
そして今回、施餓鬼會の施本は何にしようかといろいろ選んでいたところすばらしい本に出会いました。3年も前から本棚にあったのですが、目次だけ見て読んだつもりになっていたのです。それは『釈尊のこころ』というタイトルで松原泰道師が仏教講座でお話しされたものを冊子として刊行したものです。

ちょっとオーバーのようですがこの本を3回読んでいただけたら、仏教が、あるいは、お釈迦様のこころがわかったといっていただけるかと存じます。施餓鬼會の折、施主の方にお渡しする茶封筒の中に、供菓などとともに入っておりますので、是非お読み下さい。
私もこの本を読んで、頭の中に引っかかっていた2つのことが解決しました。

まず、釈尊に帰れということはよく言われてきました。しかし2500年のギャップをどう埋めのるかと思っていましたが、松原師のこの本には、「釈尊に帰れではなくて、もし釈尊が今この世におわしまさば、あるいはお祖師がたが今この世におわしまさば、どういう角度でお悩みになり、どういう角度で説法をしていらっしゃるであろうかと、いつでもこの時点にたって考えてみたいと思います。」とあり、なるほどと思った次第であります。

もうひとつは、仏教教典の読み方と受けとめ方の問題です。お経にはたとえ話が多く書かれていますが「お経を読むときは論文を読むような気持ちではいけません、文学作品を読むつもりで、とくにドラマを読むような気持ちで読みなさい」とあります。今まで学問として理解しようとして、いきずまり感があったのですが、この本のお陰で楽に読めるようになりました。

さて、別紙ご案内を同封いたしましたが、施餓鬼法要は例年の通り、8月13日に行います。(今年は火曜日です)、暑い中、また遠路恐縮に存じますが、一家に一人は是非お参り下さいますようご案内申し上げます。
当日は混みあいます。普段着で涼しい格好でおいで下さいませ。
また、塔婆のお申し込みは、同封のはがきにてお早めにお願いします。
お盆の棚経も昨年同様、初盆(新盆)をお迎えのお宅を優先し、ご希望の方のみお参りいたします。別紙案内の要領で期日までにお申し込み下さい。

最後になりましたが、時節柄檀信徒の皆様におかれましては益々ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その7

六趣輪廻の因縁は、己が愚痴の闇路なり。
闇路に闇路を踏みそえて、いつか生死を離るべき。

「六つの迷いの世界(六道)を巡らねばならないことになったのも、自分の愚かさゆえの暗闇の道というほかないのだ。
そういう暗い道ばかりさまよい歩いていて、いつの日に迷いの世界を脱出することができよう。」

これは西村恵信先生の傍訳でありますが、ここで問題になるのが六道輪廻をどう捉えるかということです。
の六道は地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天上と呼ばれる6つの世界、6つの存在のありようを指しますが、これはお釈迦様が言い出されたことではありません。インド古くからの一般的な考え方であり、この世に生を受けてくる生物たちは、こうした6つの世界で生活していると、昔のインドの人たちは考えておりました。こうしたインドの伝統的な考え方が仏教に取り入れられ、深い洞察が加えられたのです。
これら6つの言葉は、日本語として伝統の中に深く浸透していますから、皆さまにもなじみのある仏教用語といえるでしょう。

「地獄」というのは100パーセント苦しみばかりであって、全く喜びのない世界です。間断なくおそってくる苦しみに、堪え忍ばなければならない世界です。
「餓鬼」、よく子供のことを餓鬼といいますが、子供というのは、相手にするといくらでもつけ込んで甘えてきて、「もういっぺん、もういっぺん」と際限なくなり、手のつけられない状態になります。
これでいい、これで充分満足ということがなく、いくらあってもまだほしいという状態、それが餓鬼です。
「餓鬼草子」という絵巻物に描かれている餓鬼の姿は、肋骨が洗濯板のようにむき出しで、手足はガリガリに痩せ細り、おなかだけがプクッと膨らんでいます。のどが渇いて水を飲もうとすると、水が炎になってしまい、腹が減って食べ物を手に取ろうとすると、その食べ物が炎になってしまう。こうした光景が、生々しく描かれています。

実際に水や食べ物が炎になるのではなく、自分にとってもっとも大切なはずの水や食べ物でさえ、餓鬼の目から見ると炎に見えるのです。

これを単なるおとぎ話だと思ってはいけません。私たちの現実の生活に引き当てて考えてみれば、その本当の意味するところが見えてきます。
たとえば「苦労」「努力」「困難」ということを考えてください。何かをやり遂げようとするとき避けて通ることができないもので、成し遂げようとするものが大きければ大きいほど、それに伴う苦労も大きいものになります。生きてゆくことの喜びも悲しみも、すべてはこうした苦労を乗り越え、解決してゆく中にあるのであって、充実した人生を送るためのなくてはならない水であり食べ物であります。
「苦労」「努力」「困難」を避けて通ろうとすることは、餓鬼が一番必要な食べ物を炎と間違えて、口に入れることができないのと同じことです。

そのようにして、常に満ち足りることなく、飢えているもの、これが餓鬼であります。

(故宗興老師の著書参考)

境内の話題

観音像本堂に安置

4月14日観音堂を掃除しようとしたとき観音様が傾いているような気がして厨子を持ち上げたところ座板がはずれてしまいました。もう少しで観音様が落ちるところでした。外から見るより内陣はかなり老朽化しています。
15日の祝聖の読経後、観音様は本堂上間にお移しし安置しました。
4月23日の役員会にもこのことを報告し、平成15年度の予算に観音堂改築の予算を計上する必要があることを話しました。

鈴幸のメニューが変わりました

出張懐石料理『鈴幸』さんのメニューが6月より新しくなりました。子供懐石が1,800円になった他、値段はほとんど同じですが内容は良くなりました。新しいパンフレットが届いていますので今後は新メニューでご注文下さい。

NTTドコモアンテナ設置

8月にNTTドコモのアンテナが町内に設置されることになっています。これまで室内では通じにくいことがあったのですが改善される見込みです。

皆様のご協力願います。

毎年のことですが、施餓鬼会の供養料は、当日の経費を除いたものすべて、災害義援金、対人地雷撤去のため、ユニセフ、佛教情報センターなどに寄付致しています。今年は特にアフガニスタンにも地雷撤去のための支援をする予定です。盆の供養料は定めていませんが、今年も皆様の暖かいお志を布施行として表していただきますよう願い致します。
また、供養料は袋に入れて施主氏名をお書き下さい。名字だけですと記帳できないことがありますのでフルネームでお書き下さい。

役員会議事録より

去る4月23日、善勝寺定例役員会が召集され、全役員の出席を得て、平成13年度一般会計決算、その他審議しました。
以下、決議事項を報告します。

  1. 事業報告、会計報告
    *無縁塔移設と動物供養塔建立など
    *会計決算は、報告の通り適正であると承認。基本財産として1000万円積み立てをし、
    剰余金650万円余りは14年度への繰越金とすることとしました。
    (皆様には施餓鬼法要の後、会計より、会計決算報告を行います。)

  2. 門柱移動の件
    *塀の工事に伴い、現在の門柱を駐車場入り口の門とするため移動することを承認。

  3. その他
    *平成15年度予算で山門の建設と観音堂の改築を計上するよう努力することを申し合わせしました。
    *施餓鬼會・棚経は、昨年通りとすることを確認。 役員は前日準備する。
    等々審議されました。

*当役員会は、善勝寺の健全な発展のため、皆様の建設的なご意見をお待ちしています。

初盆を迎えられる方へ

去年のお盆以降に檀信徒となられ、初盆を迎えられるお宅には、参考になればと思い、「法要の知識百科」のコピーを同封致しましたのでご一読下さい。お盆を迎えるに当たり、様々な問い合わせの電話がありますが、あまり形式にこだわらず、亡きご家族やご先祖様を丁重にお迎えし、感謝の念で真心をもっておもてなしする。というスタンスさえ基本にあればよろしいかと思います。
子供さんも含め家族皆様でお盆の行事を営んでいただきたく存じます。

棚経の日時に関しては、各家のご希望通りにはならないことを、あらかじめご了承願います。

編集後記

『善勝寺だより』お盆号(39号)をお届けします。

この善勝寺だよりを作るに当たり、昨年のお盆号を見ていましたら、参拝者に帰りのタクシーチケットを供与することを書いておりました。その後半年足らずでバスが開通し、チケット50枚綴りもまだ幾枚か手元にあります。
このバス開通はお寺にとって大変ありがたく、バスが開通したのでここのお墓に決めましたという方もおられます。仏教研究会の会合も、たいてい酒を伴いますので、バスで行って何時のバスで帰ると決めておけば家族も安心しています。とにかく100円というのがいいですね。皆さまも大いにご利用下さい。

施餓鬼會には、鴻巣発9時27分または10時22分にお乗り下さい。
鴻巣駅のバス停は東口の交番のところです。広域循環バス『フラワー号』左回りです。

当寺ホームページは部分的ですが改訂しました。過去の『善勝寺だより』を見ることができますし、メールも送れるようになっています。興味ある方は覗いてみてください。

ホームページアドレス https://www.zensyoji.or.jp/
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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