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第41号 正月号(平成15年1月5日発行)

善勝寺だより 第41号
平成15年1月5日発行
発行責任者 明見弘道
謹んで新春のご挨拶申し上げます。
檀信徒の皆様には、良いお年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年秋、車の中でラジオを聞いていましたら、在宅医療を提唱されています鎌田先生が、興味あるお話をされていました。

アウシュビッツの捕虜収容所での出来事を心理学の面から克明に記録されたものがあるそうです。気が狂ってしまう人、不可能とわかりながら脱走をはかり銃撃されたり、自ら高圧電流の流れている鉄条網に飛び込んだりするものが多い中、最後まで耐え抜いた者の条件とは、まず希望を失わなかった人。必ず助かるという希望、これは一つの条件ではあるようですが、あと3ヶ月で連合軍が助けにくるといったデマを希望とした人は、それが実現されなかったとき、希望を失うことになります。最後まで生き抜いた人はもうひとつ別な条件を持っていました。皆さんはこのもうひとつの条件とは何だと思いですか。
それは以外にも、毎日の生活を規則正しくされている人であったということです。過酷な条件の中であっても、食事の作法、身の回りの整理整頓、衣服のしわを延ばしてたたむなどといった、日常の生活をちゃんとしていた人が、最後まで生き抜く力を持っていたということでした。

今年度の花園会の研修テーマは『自らを調え、生活を調えましょう』です。どういう状況においても、日常のこの一日一日を大切に過ごす。それが苦しみの多い人生を最後まで生き抜く力となるのではないでしょうか。

最後に、檀信徒皆様のご多幸と、明るい平和な社会となりますことを祈念申し上げ年頭の挨拶と致します。

平成15年元旦 明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月21日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(水曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

年回表

壱周忌
平成14年
参回忌
平成13年
七回忌
平成9年
壱拾参回忌
平成3年
壱拾七回忌
昭和62年
弐拾参回忌
昭和56年
弐拾七回忌
昭和52年
参拾参回忌
昭和46年
参拾七回忌
昭和42年
五拾遠年忌
昭和29年
今年、年回が当っておられますお宅には、法事の知らせを同封しました。
法事の予定はお早めにお立ていただき、予約はFAXやメールでなく電話でご連絡下さいますよう、お願い申し上げます。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その9

それ摩訶衍の禅定は 称歎するに余りあり

「ところで大乗仏教の教える禅定こそは、讃えても讃えきれないほどにすばらしいものである。」

ここで『座禅和讃』は一転して大乗仏教を讃嘆いたします。起承転結の承に入りました。
摩訶衍というのは梵語(インド語)をそのまま漢字に音訳したもので、摩訶般若・南無・菩薩などもそうですが、原意があまりに含蓄が多く、漢文として適当な訳語がない場合発音の同じ漢字を当てて音訳します。日本であればカタカナで表すといったところです。
マカエンのマカという言葉にも、大きい、多い、勝れているなどといった意味が含まれています。一般に大乗仏教と訳しますが、本来大乗仏教と小乗仏教などと分けることが適当ではありません。仏法そのものといった方が良いと思います。

お釈迦様から伝えられている仏法には「禅定」というものがあり、これほどすばらしいものはないというのですが、この禅定も、足の痛いのを我慢してただ座っているという座禅だけをさしていうのではありません。禅の修行も座禅が基本ではありますが、掃除をしたり、お経を読んだり、食事をしているときもこの禅定の内にあることを目指します。

天台宗では座禅のことを「止観」といいますし、チベット仏教の瞑想も座禅と同じといわれています。また、後にでてきますが一心に「南無妙法蓮華経」と題目を唱えるのも、無心で「南無阿弥陀仏」と念仏するのも禅定です。

「座禅和讃」だから座禅だけを褒めているわけではありませんし、ましてや禅宗だけが良いなどという一宗一派を高揚するという狭い意味ではありません。仏教のすべてについて賛嘆しているのであります。

永代供養

永代供養という言葉は皆さんご存じかと思うのですが、この言葉は決められた定義はなく、寺によってもいろいろな意味に使われています。

善勝寺において、今までは、当寺檀家(平成4年以前檀徒名簿に記載されている家、平成4年以降入檀金を納め、檀徒と成られた家)戸別の過去帳を収めた位牌、並びに、永代供養合同墓『東光山合同船』の霊簿を収めた位牌を本堂内陣に祀り供養することを意味していましたが、不十分なことがあると同時に、今後代々の住職が怠りなく続けることこそ本当の永代供養と考え、12月12日の役員会にて定義として定めました。

善勝寺永代供養の定義

檀家先祖霊の内、明治以降死没者の戒名、並びに「東光山合同船」納骨者の戒名を『祠堂位牌』と『日毎永代供養帳』に記帳し、祠堂位牌に対する全体的な供養と同時に、『日毎永代供養帳』を基に祥月命日には朝課時に戒名を唱えて、永代に回向すること。
今年の春彼岸までを目安に『日毎永代供養帳』に記入する作業をしているところです。その後は年一度の祥月命日には回向できることと存じます。

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が戴けます。今年は大正5年生まれの方、明治37年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。

火事見舞い申し上げます

昨年暮れ、檀徒の大賀清香様並びに貢様のお宅が火災で住宅と店舗が全焼となりました。お見舞い申し上げます。現在本山花園会に見舞金を申請中です。
当花園会では罹災された方に対し、見舞金が出ることとなっています。あってはいけないことですが万が一、罹災された場合にはご一報下さい。

バス時刻一部変更のお知らせ

12月10日より循環バス『フラワー号』の時刻が全体的に2・3分ずつ変更しました。
時刻表が必要な方は当寺にありますのでお持ち下さい。また、当寺ホームページにも変更されたものがアップロードされていますのでご覧下さい。

【護持費】のこと

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願いいたしております。
同封の「護持費納入のお願い」をお読みいただき善勝寺にご縁のある皆様、一人でも多くの方のご協力をいただきますようお願い申し上げます。( 役員一同)

【大般若札】のこと

今年度(平成14年)護持費を納入していただいた方には『大般若札』を同封いたしました。このお札は、正月3日間、仏法興隆、五穀豊穣、社会の平和、山内と檀信徒皆様の無事を祈願いたしましたところの、お札です。

ハンセン病に関して正しい理解を

ハンセン病(らい病)は細菌(らい菌)によってうつる病気の一つですが、うつりにくく、たとえ菌が体に入っても症状が出ることは現状ではほとんどなく、遺伝するものではありません。

化学療法がなかったころは不治の病と考えられ、手足や顔の変形、目が見えなくなるといった傷害を残すことがあり、恐ろしい伝染病のように、また遺伝病と、あるいは神仏の祟りであるなどと、さまざまな誤解のため恐れられてきました。
特に「らい予防法」により強制的に療養所に入所させられたことから、この「恐ろしい病気」というまちがったイメージが定着してしまいました。
平成八年「らい予防法」は廃止され、平成十三年に、国は隔離政策は憲法違反であったという訴えを認め、謝罪するとともに、名誉を回復し福祉を充実させるための法律もできました。

しかし、一方でハンセン病に対する偏見や差別は未だに根強く残っております。今世紀は人権の世紀といわれていますが、私たちはハンセン病に限らず、あらゆる偏見や差別をなくすため、一人ひとり、心の内の差別意識を検証することが大切と考えます。

役員会議事録より

12月12日と13日、伊香保グランドホテルを会場として、定例役員会を開催し、13日には新座市平林寺にお参りし、各役員緊張の中、老大師と親しく相見することができました。

  1. 現状報告。
    塀の工事状況・本年度会計で車庫を建設すること・今年度入檀者数などを報告

  2. 当墓地A区の区割りを一部変更する件。(八区画増)

  3. 善勝寺における「永代供養」の定義を承認。(別欄に記載)

  4. 遺骨本堂内一時保管(預骨)に関する規定を承認。(関係者には同規定を配布)

  5. 平成15年度行事・事業計画の件。
    行事は例年に準じて行う。主な事業として、山門の建設。観音堂の再建。バス待合所の建設。などを承認。

  6. 平成15年度会計予算の件
    総額9,000万円の予算書を原案通り承認(14年度会計より2,000万円の繰越金を見込む)
    ※山門などの建築費が高額のため14・15年度は、基本財産積み立てをしないこととしました。

  7. その他。施餓鬼会に関して、今年の反省と来年の方策など。

編集後記

『善勝寺だより』正月号をお届けします。このあたりでは44年ぶり元旦に雪が降ったということで、今日3日も雪景色の庭になっています。

今年も、お地蔵様は、新しい青い毛糸の帽子と、赤いよだれかけをかけていただいてお正月を迎えました。こうして雪が降ってくると、子供が読んでいた「傘地蔵」の話を連想致します。どなたか存じませんが、本当にありがとうございました。

今年用意したポスターの標語は『拝む爽やかな姿が 和やかな家庭の礎』です。
本堂にありますので、ご自由にお持ちいただき、居間にでも貼って、心暖かくお過ごしいただきたく存じます。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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