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第44号 秋彼岸号(平成15年9月16日発行)

善勝寺だより 第44号
平成15年9月16日発行
発行責任者 明見弘道
残暑が続く中、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今年は夏の天候が不順で、お米が不作とのことですが、関東地方はこの残暑のお陰で例年並みに収穫できるのではないかと言われています。夏に逆戻りしたかと思う残暑も、植物にとっては大切なことと知りました。

さて、先月の施餓鬼会には、多数お参りいただきありがとうございました。総勢七百名を超える、大変にぎやかな施餓鬼法要となりました。
役員さんを始め、前日より多くのご協力を得て無事終えることができました。お礼申し上げます。特に今年は、青壮年部が結成され、重い建具や道具の出し入れ、駐車場係と積極的にお手伝いいただきましたこと深く感謝申し上げるしだいです。

一方、今年の施餓鬼会は、反省すべき点が多くありました。アンプ・スピーカーを増設したのですが、その調整がうまくいっていなかったこと、焼香時の誘導のこと、弁当配布の場所、塔婆立ての改善等々です。
去年までのように、最後までみんな一緒に読経した方がよいと言う意見や、供養料も定めて会費制にしてほしいという意見もあります。
いずれにせよ、12月の役員会において充分話し合い、皆さんから施餓鬼会にお参りしてよかったと言っていただけるよう工夫致したいと思います。

次に、本年施餓鬼会の決算は別記しましたが、アンプ・スピーカーの増設も経費として加えましたので、今年の寄付金は15万円にとどまりました。
内訳は、難民を助ける会に、対人地雷撤去のため6万円と、マラリア予防のための蚊帳20帳分、4万円。佛教情報センターに活動助成費として、5万円。 と致しました。以上謹んでご報告致します。

弘道合掌

秋期彼岸会『ご案内』

恒例の彼岸法要を下記の如く行います。多数お参り下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。

9月23日 午後2時より
法要の後、法話・茶礼


※塔婆を建てられる方は前もって、電話またはファックスでお申し込み下さい。
秋分の日をはさんで七日間を彼岸といいます。お墓参りやお寺参りをして故人をしのびます。
先祖を尊ぶと同時に、私たち自身が悟りの世界である彼岸に一歩でも近づくように、わずかな日数ではあっても行をする週間でもあります。忙しい社会で、心を亡いがちではありますが、ゆとりを持って自分を見つめ直す一週間にしたいものです。
寺やお墓には、皆様のご都合のよい日、いつお参りされてもよいのですが、日程が合えば、お中日2時からの彼岸法要にお参り下さり、共にご読経いただければ幸甚です。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その12

布施や持戒の諸波羅蜜、念仏懺悔修行等、
其品多き諸善行、皆この中に帰するなり。


他に施しをしたり、自分に厳しく戒を守ったりする仏教の実践(布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧の六波羅蜜)。あるいは念仏を唱えたり、自分の行いを懺悔したり、身をもって仏道の修行をするなど、種類さまざまな諸々の仏道の実践も、結局はこの禅定(座禅)というもののなかで成就されるのである。(西村恵信師訳)
今回は『忍辱・精進』のところに進みます。

私が善勝寺に住職して間もなく、平林寺の老師に、この「忍辱・精進」という言葉を念頭に置くよう諭されたことがあります。
忍辱という言葉は、他人から辱めを受けて、それを歯を食いしばって我慢するという意味ではなく、自らが振り返ってみて、恥ずかしさに耐えないような、そういうものを、勇気を持って見据えて、そこから脱皮してゆくと言うことです。

誰にもあることだと思います。自分がやってきた事柄で、思い出したくない、しかし、つい思い出してしまうと、鼻歌でも歌って自分をごまかさなければ耐えられないと言うことがたくさんあります。
ごまかしたくなるような自分の醜さ、恥ずかしさ、そういうものを見据えてゆく勇気、これこそ真の忍辱であるといえるでしょう。
この忍辱があって初めて、自らに向かって「発憤」して行くということがあり得ます。

発憤というのは「憤りを発する」 と書きます。腹を立てるということですが、同じ腹を立てると言っても、この発憤というのは、非常に良いことです。なぜなら、この怒りは「俺としたことが」「私としたことが」と、自分自身に腹を立てて、そして自分自身に鞭打つので、『精進努力』という、建設的な方向に進んでゆくからです。
これに対して、自分にとって不都合なこと、羞ずべきことがあれば、「あいつのせいで、やむなくやったんだ」「こいつのせいで、こうなったんだ」
と、悪者を自分以外のところに逮まえて、これに対して腹を立てていく。これを仏教の言葉で三毒の一つである『瞋恚』といいます。

発憤も瞋恚もともに腹を立てることですが、向かう方向が自分自身に向かっていけば『精進』につながっていき、人に責任転嫁して、それを攻撃する方向に行きますと、『瞋恚』となり、「あいつのために、こいつのために、社会が悪いから、政治が悪いから」というふうになって、しまいには、「俺一人頑張ったってしょうがないじゃないか」とシラける方向に心は動いていきます。このシラけた状態を「懈怠」といいます。いま若者の多くがシラけた、やる気を失っているのは、みんな評論家のように他人ばかりを批判し、他人に対して怒りをぶつけていった結果であります。

心が内に向かい、発憤し精進する方向に軌道修正しないと、一人ひとり本当の幸せをつかむことができないばかりか、社会全体がマイナスの方向に向かってしまうことでしょう。

花園会のコーナー

ご親化授戒会

今年10月29日、埼玉県小川町「圓光寺」にて、妙心寺派北関東教区(六十八ヶ寺)の主催で『ご親化授戒会』があります。戒師に本山の管長様をお迎えし、妙心寺山内霊雲院、野火止平林寺、那須雲巖寺各老師様もそろってご出頭なされての大規模な行事です。

善勝寺と致しましては、全体としての人数にも限りがあると同時に、法会の趣旨からして、登壇(参加者)の要請は、すでに当寺にて受戒を済まされ生前に戒名を受けておられる、112名のみにご案内致しました。
一ヶ寺平均4名のところ、当寺からは23名の方が登壇(参加)されることとなりました。この法会に対する理解と関心の高さに敬服致す次第です。
当教区での、次回ご親化受戒会はおよそ10年後となりますが、その節にも多数ご登壇いただきますようご期待申し上げます。

授戒の勧め

善勝寺では、仏弟子の自覚を持っていただくため、仏戒を授かり、生前に戒名をもらっていただくことを、お勧めしています。ご希望の方には、随時(法要の折など)行いますので、お問い合わせ下さい。

わかる仏教講演会

鴻巣市仏教会・鴻巣地区仏教研究会主催

1年おきに開催しております、『わかる仏教講演会』も今年で12回となります。今回は仏教評論家でおなじみの「ひろさちや」先生をお招きし、『仏様の物差し』というテーマで講演いただくことになっております。

12月9日(火)午後2時開演
場所は『クレアこうのす』です。

入場は無料ですが、整理券が必要となります。皆様お誘い合わせのうえ、ひとりでも多くのご来場頂きますようご案内申し上げます。(整理券は善勝寺にあり、郵送もします)

施餓鬼法要の決算

〈収入〉
供養料(盆供)246万円。
塔婆料(704基)211万2千円。

〈支出〉(当日の経費、端数切り捨て)
弁当代、58万。飲み物代、12万。テント・椅子など、45万。印刷代、10万。寺院謝儀、10万。手伝いお礼、20万。うちわ、10万。アンプ・スピーカー、31万。塔婆・聖典・花・供物など、34万。合計およそ230万余円でした。

寄付金15万円の内訳は前述の通りです。以上ご報告致します。(会計)
『施餓鬼会』に関して皆様からのご意見をお待ち致しております。(役員)

年末年始の行事

次号の『善勝寺だより正月号』は、1月4日過ぎ「大般若祈祷札」といっしょにお届けする(護持費納入者のみ)ことになりますので、ちょっと早いのですが、あらかじめ年末年始の行事をお知らせしておきます。

除夜(ジョヤ)

大晦日 午後11時半から除夜の鐘をつき始めます。 108つき終わるのは零時半頃になります。ゆく年の無事を感謝しつつ、来る年の平穏を祈って、心を込めてついて下さい。
振る舞い酒もあります、ご家族で多数お越し下さいませ。

修正会(シュウショウエ)と年始

正月元旦~3日 午前10時より 修正会大般若祈祷を行います。
善勝寺に古くから伝わる大般若六百巻を転読し、仏法の興隆、五穀豊穣、山門並びに檀信徒各家の無事を祈る行事です。
3日間祈祷した『大般若札』は、今年度護持費を納入いただいた皆様にお届け(郵送)致します。
この祈祷終了の後、書院にて年始の挨拶と致します。(午前中のみ)
3日間の内ご都合の良い日にお出かけ下さい。注《午後は書院での接待は致しません》

編集後記

  • 「社会を明るくする運動作文コンテスト」というのがあり、法務大臣賞(最優秀賞)小学生の部に大阪の上山幸穂さん5年生が書いた『大切な言葉』が選ばれました。「お前がさわるとくさる!」「死ね!」といわれたことがある上山さんが、言葉は人を悲しみの海の底へ沈めてしまう凶器である、と同時に「大丈夫!」と聞かれた時はうれしくなった。人間だけが持っている最高の『言葉』、でもそれで人の心をキズつけるのは最悪だと思う。私は、これからも言葉を大切にしていきたいです。と書いています。
    『愛語』が今年の花園会の研修テーマということは再々述べております。心のこもった言葉を愛語といい、人の人生をも変える大きな力を持っています。しかし、遊びのつもりや、何気なく言った言葉が深い傷をもたらします。
    作文の最後の一行は、『みんな言葉を大切に…』でした。
    (彼岸法要の時、この作文の全文を朗読したいと思っています)
  • 山門を入って右の外トイレが増設されます。今までのトイレは男性専用となり、増設部分は女性専用個室二カ所と、多目的トイレです。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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