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第47号 お盆号(平成16年6月28日発行)

善勝寺だより 第47号
平成16年6月28日発行
発行責任者 明見弘道
暑中お見舞い申し上げます。
梅雨に入ったものの爽やかな日が続いています。
檀信徒の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお察し申します。

女子児童によるカッターナイフ事件。中学生の自殺など、悲しい事件が起こってしまいました。私たちはこういう悲惨な出来事をどのように受けとめたらよいのでしょうか。
先日、テレビ朝日の番組で、五木寛之さんがこんなことを語っていました。「いろんな悲しい事件が起きる度、どうしてこんな事件が起きたのか、事件が起きないためには何をなすべきか、ということばかり報道され、私達もそういうものの見方をするが、その前にまず心の底から悲しみ本当に泣く、ということがなされなくてはならない」と。

私も同感です。お釈迦様が今おられたなら、おそらく我が子の事のように嘆き悲しまれることでしょう。観音様は「我が子の事のように嘆き悲しむ」ということの象徴であり、『大慈大悲』の観音様と呼ばれるのはその所以です。
女子児童によるカッターナイフ事件のとき、父兄の内にキリスト教の牧師さんがおられ、校門で跪き祈りを捧げられた。との報道もありましたが、宗教の原点は祈りであり、私自身反省しなくてはいけないとも思った次第です。

嘆き悲しんだり、祈ることでは、解決にならないと考える方もおありでしょうが、他人事ではなく、我が事のように嘆き悲しむ、そして大いなるものに祈りを捧げるといった、宗教的情(本来人間の持っている情)そのものが、悲しい出来事をなくしてくれる大きなエネルギーを持っています。
人間誰しも過ちを犯します。

過ちを犯した人が特別な人間ではないのです。今まで大きな過ちを犯さないでこれたことや、その渦中に巻き込まれなかったことは、有り難いことと思わざるを得ません。でも悪縁が重なれば誰しも加害者側に立たされることを肝に銘じたいものです。
さて、別紙ご案内の如く、『山門大施餓鬼法要』を8月13日(金)厳修致します。
今年から四座(4回)法要を行うこととなりました。同封の書類をよくご覧の上、お申し込み頂き、多数御参拝下さいますようご案内申し上げます。

尚、同封の書類は、本書の他
  1. 施餓鬼法要のご案内(鶯色)
  2. お盆とお施餓鬼(青色)
  3. 施餓鬼法要各座区分表(地図と市町村名)
  4. 施餓鬼塔婆申込書(ハガキ)
  5. ハガキの書き方(記入例)
  6. 収支決算書(当寺一般会計)
です。ご一読下さいませ。

最後になりましたが、時節柄ご自愛下さいますようお祈り申し上げます。

明見弘道合掌

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その15

念仏懺悔修行等、
其品多き諸善行、皆この中に帰するなり。

今回は『懺悔』がテーマです。一般にはザンゲと言いますが、仏教ではサンゲと発音します。
いかなる宗教でも、反省のない宗教、懺悔のない宗教はありません。神道ではこれをオハライとかキヨメと言い、キリスト教では悔い改めと言い、仏教では慚愧懺悔と申します。
慚愧は罪を恥じることを言い、慚は自ら罪を造らないことで、愧は他の人に罪を造らせないようにすることです。

禅宗には古来『授戒』という儀式があり、私達が仏の戒を受けて、仏弟子にして頂く尊い儀式ですが、それには三世三千諸仏のお名前をいちいち唱え、慚愧懺悔六根罪障、滅除煩悩滅除業障と言いながら礼拝します。この懺悔の行を1週間続けますと、ちょうど汚れた着物が洗濯できたように清浄な心になります。その清浄無垢な心の上に仏の尊い戒を授けて頂きます。(余談ですが、この受戒の儀式も1週間から3日になり、残念なことに今では1日受戒といわれる簡単なものになりました)
「衆生仏戒を受くれば即ち諸仏の位に入る、位大覚に同じゅうし已る、真に是れ諸仏の御子なり」と唱えて頂き仏弟子の仲間入りできるのです。

この懺悔にも深い浅い、人によって様々ですが、ただどんなに深い反省をし、後悔の念に苦しんでも世間的(有限的)な懺悔では救いはありません。無限なるものの懐に飛び込むことによって、神・仏と一体となる境地を得て初めて真の懺悔となり、滅罪となります。即ち禅定という座禅こそ、或いは念仏こそ真の懺悔であります。

「一切の業障の海は、皆妄想より生ず。もし懺悔せんと欲せば、端座して実相を念ぜよ。衆罪は霜露の如し、慧日能く消除す」と経にあります。つまり座って真実なる自己を見つめることが懺悔であり、またその罪も消滅すると説かれています。

これまで述べてきた仏行の他、まだまだ多くの善行はありますが、詰まるところ全てが、禅定というひとつの世界に入ってしまうというのであります。
逆に言えば、禅定という一事が体得できれば、全ての行いが菩薩行であるといえます。

「禅は諸道の根元なり」と言われて茶道・剣道をはじめ一切の芸術芸道の奥義が全て皆、この禅定の2字に帰するのであります。東洋文化はもちろんのこと、宗教道徳の世界のみならず、社会生活のあらゆる面が、禅定を離れてはあり得ないことを、「夫れ摩訶衍の禅定は、称歎するに余りあり」と、褒め称えられたのであります。

室内は禁煙とします

役員会での決議ではありませんが、本堂・書院(客殿)など室内での喫煙はご遠慮頂くことと致しました。
不特定多数の人が利用する場所での喫煙は制限するとの考えが定着してきました。お寺も例外ではありませんので、ご理解ご協力の程宜しくお願い申し上げます。
尚、喫煙場所は、書院への上がり口の2カ所。灰皿のある場所と致します。

(住職より)

役員会議事録より

去る4月13日、善勝寺定例役員会が召集され、全役員の出席を得て、平成15年度事業・一般会計決算報告。施餓鬼会の形態の変更等審議しました。以下、決議事項を報告致します。

  1.  事業報告、会計報告
    *15年度入檀者数など寺の現状を報告。
    *山門・観音堂・塀・車庫物置など平成15年度に計画した工事は、全て完成し、工事費全額年度内に支払いを済ませたことを報告。
    *会計決算は、報告の通り適正であると承認。剰余金547万円余は、16年度一般会計への繰越金とすることを議決。
    (檀信徒の皆様には、本決算書を同封しましたが施餓鬼法要の時、会計より、会計報告を行います)

  2. 施餓鬼会に関すること。
    *今年の施餓鬼会からは、四座とし、それぞれ開始時間は、9時・11時・13時・15時とする。地域によって各座に振り分けることとし、その案内の内容は住職に一任する。
    *一座の定員は200名とし、全員本堂内にて椅子席で参拝、焼香は回し焼香、水向けは退堂時とする。
    *本堂のエアコン設備の充実。
    *参拝者への弁当の配布はしない、受付は観音堂とする、等々決定。

  3. その他。
    イ、駐車場用地と確保するため、引き続き地権者と交渉する。
    ロ、今後、第一駐車場及びその西側は、墓地用地としないことを申し合わせ事項として決議。

以上

本堂は椅子席となります。

騎西の鎌田石材店様より本堂用椅子(50脚、3~4人がけ)を寄進頂くこととなりました。
施餓鬼会のみならず、今後、本堂での法要は椅子席と致します。
善勝寺では、8月13日に施餓鬼法要を行っており、ちょうど迎え盆の日でもありますので、お盆の供養も含めた意味で施餓鬼法要にお参り頂いております。

そこで法要の意義ですが、私達がこうして存在するのも、父母を始め多くの先祖様から命のバトンタッチがなされてきたからであります。我が家のため、子孫のためにと、苦労に苦労を重ねてこられたそれぞれのご先祖様に感謝の誠を捧げることは当然のことです。

また、社会環境や、自然環境など悪化で私達の命が脅かされるわけですから、自分さえ良ければいいという(餓鬼の心)誤った考えを排除し、全ての生命を尊び、お互いに助け合い(自他一如)、大自然の分身が自分であることを知り、地球全体のことを考える(人境一如)。これが盆供養並びに施餓鬼法要の精神です。

当寺ではこの精神にのっとり、施餓鬼会の供養料の内、当日の経費を除いたものすべて、難民を助ける会、ユニセフ、地元社会福祉協議会などに寄付致しています。今年は昨年同様、イラクの復興支援、カンボジア・アフガニスタン地雷撤去のための費用をして、またマラリア予防のための蚊帳を寄付する予定です。供養料は定めていませんが、今年も皆様の暖かいお志(布施行)をお納めいただきますようお願い致します。

また、供養料は袋に入れて施主氏名をお書き下さい。名字だけですと記帳できないことがありますのでフルネームでお書き下さい。

編集後記

『善勝寺だより』お盆号(47号)をお届けします。

定着しつつあった施餓鬼の形態を、4座にすることになったのですが、混乱するのではないかという不安も隠しきれません。特に参拝人数がうまく4等分になるかが心配です。案内を良く読んで頂き、地域割りの原則に従って頂きたいと存じます。

永代供養のための『日毎過去帳』は、2年越しの月日を掛けて、ようやく5月初旬書き終えました。それ以降、祠堂に祀ってある全ての仏様(霊位)に対して祥月命日の日には戒名を唱えて供養できるようになりました。
菩提寺(住職)の勤めとして、永代供養の定義を定めたのですが、今後代々の住職が引き続き勤めを果たしてくれるよう願っています。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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