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第52号 秋彼岸号(平成17年9月14日発行)

善勝寺だより 第52号
平成17年9月14日発行
発行責任者 明見弘道
今年は残暑がひときわ厳しく、夏の疲れがとれないという方が多いのではないでしょうか。まだまだ残暑が続くという予報です、どうかご自愛下さいますようお願い致します。
それでも季節は秋です。外でのコオロギと、家では子供が買ってきた鈴虫との二重唱で、夜はとてもにぎやかです。
お彼岸の頃には、役員さんと青壮年部のみなさんで暑い中苦労して植えた『彼岸花』がどのように咲くか、とても楽しみにしています。

さて、先月の施餓鬼会には、多数お参りいただきありがとうございました。今年も四座制でしたが、参拝者は昨年よりさらに増え、一座200人の定員を超えたため、本堂に入っていただく方を第一座では一軒に2人まで、三座・四座は3人までと制限せざるを得なくなりした。せっかくお参りいただいたのに本堂に上がっていただけなかった方には申し訳なく存じます。

また、今年から初盆の方には位牌を持参いただいたのですが、各座とも20基ほど中卓に並び供養を受けていただきました。
後に詳しく報告しますが、供養料も、塔婆の本数も過去最高となりました。謹んで当寺会計に入金させていただきました。御礼申し上げます。
法要も全体的にはスムーズに進行したかと思います。今後ともこの形式で行う所存ですので宜しくお願い致します。
こうして無事終えることができましたのも、前々より除草や殺虫に時間を割いていただいた青壮年部の方々、前日の準備から片づけに至るまでご協力いただきました、寺役員並びに青壮年部の方、そして当日お手伝いいただいた皆様のおかげであります。この場を借り感謝申し上げる次第です。

次に、施餓鬼当日受付でお渡し致しました、墓参用線香着火ライターは、今後お墓参りの際は是非ご持参下さい。観音堂前に線香着火器がありますが、お墓に持って行く途中に火が燃え上がり火傷するおそれもありますので、墓前にてこのライターを使って火を着けていただくようお願い致します。

『彼岸法要』の案内に移りますが、例年通りお中日の午後2時から厳修致します。
多数お参り下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。

明見弘道合掌

秋季彼岸会『ご案内』

9月23日 午後2時より
法要の後、法話・茶礼

※塔婆を建てられる方は前もって、 電話またはFAXでお申し込み下さい。
秋分の日をはさんで7日間を彼岸といいます。お墓参りやお寺参りをして故人をしのびます。
祖先が私たちに託した願いを深く洞察し、私たち自身が完成された人間(彼岸)に一歩でも近づくように、心静かに過ごしたいものです。
寺やお墓には、皆様のご都合のよい日、いつお参りされてもよいのですが、日程が合えば、お中日2時からの彼岸法要にお参り下さり、共にご読経いただければ幸甚です。

東光山ミニ法話

『白隠禅師座禅和讃』その20

無相の相を相として、
行くも帰るも余所ならず。

原子の世界から眺めれば、山も川も草も木も鳥も花もすべて原子であります。すべては原子の集積であり、エネルギーの流れであって何も形はない、全く無相であります。
しかし、我々の眺める自然界には、山も川もあり、草も木も鳥りも花もあり、さまざまな物が相を現し万象羅列しております。『無相の相を相として』 いるのであります。
人間も同じ原子でできているのだから、男も女もない、善人も悪人もない。全く平等で差別のないのが本当でありましょう。その差別のない人間群が、仮に大臣になったり門衛になったり、巡査になったり盗人になったり、運転手になったりお客になったりして、さまざまな相を現し、それぞれの立場を守り、それぞれの営みをしているのであります

禪の言葉に「自ら瓶を携え去って村酒を沽い、却って衫を着け来たって主人と作る」という句がありますが、おもしろいではありませんか。貧乏徳利を提げてドブロクを買いにゆく姿は、どう見ても男衆であります。しかし帰ってきて着物を替え、羽織を着てお客さまの前へ出れば、どうしておしもおされもせぬ主人公であります。家では下男になって風呂たきをするが、会社へ出れば立派な社長さんである。時には小僧になって庭掃きするが、時には紫の衣を着て大導師を勤める。朝のうちは雑巾がけしたり洗濯したりしている家庭婦人だが、夜になると盛装して社交界の花形にもなる。そういうところに、人生のおもしろ味があるではありませんか。人間の自由があるではありませんか。こうなくてはならぬという決まった形や姿が人生にあるはずはありません。『無相の相を相として』であります。

私どもは日々、笑ったり、泣いたり、怒ったり、全く七面鳥のように顔を変えますが、いったい私どもの本当の顔は、どの顔でしょうか。
自分の顔の決定版とでも言えるようなものがあるものでしょうか。おそらく、これが自分のほんまの顔だなどと言えるものは、なにもありますまい。常に動いて変わっているのです。
しかし、その時その時の顔が、その時その時の真実の顔だと言わねばなりません。決まった相はないところに、その時その時の相を現してゆく、つまり『無相の相を相として』日々を暮らしている次第であります。

天竜寺の開山様である『夢窓国師』という方は若い雲水時代から、大成された後まで、実によくお住まいを替えておられます。鎌倉・常陸・下野・甲斐・京都・土佐と実に転々とされたので、ある弟子が「国師ともあろう大徳がどうしてそう住所を変えられるのか」と尋ねたら、「わしはこの世界を自分の家だと思っておるので、どこへ行っても住所を変えたように思わぬ。皆が座敷におろうが台所におろうと、家の中を離れぬのと同じことだ」と答えられたそうですが、まことに天地をわが天地とし『行くも帰るも余所ならぬ』境地に暮らされたと申すべきでありましょう。

禅語の「歩々是れ道場」「途中に在って家舎を離れず」も同じ意味で、無念無相であるが故に全世界が自分の家で、どこへ行っても誰にはばからず、遠慮なく起き伏しができ、全人類が皆わが親子兄弟で、他人は一人もいないと分かって、思うままに気がねなく振る舞えたら『行くも帰るも余所ならず』ではありませんか。

つづく
(故山田無文老師の著書を参考にしました)

施餓鬼法要の決算

〈収入〉8月末現在
供養料(盆供)259万9千円
塔婆料(860基)258万円

〈支出〉(端数切り捨て)
供菓供茶各400個、25万。粗品400箱、24万。 印刷代、17万。 寺院謝儀、18万。 手伝いお礼、13万。墓地・庭清掃、駐車場整備など46万。下足棚・内陣椅子等、15万。塔婆立て12台、34万。塔婆・聖典・仏花・手伝い衆弁当など、35万。合計およそ230万余円。尚、供養料の平均は一施主当たりおよそ5千5百円です。

ご芳志に対して感謝申し上げます。

また、恒例にしています供養料の一部を寄付する件ですが、今年の内訳は、『難民を助ける会』に、対人地雷撤去のため6万円と、マラリア予防のための蚊帳20帳分、4万円。
『日本ユニセフ協会』に5万円。
『赤十字社』にスマトラ沖地震復興のためとして5万円。『佛教情報センター』に特別会費として、5万円。
地元ヘリオス会病院の森田院長先生が理事長になっておられるNPO法人『アンナプルナヘルスプロジェクト』に2万円、『フォスタープラン協会』に3万円、合計30万円。と致しました。以上謹んでご報告致します。

葬儀・法要等の申し込みのこと

善勝寺の檀信徒数も多くなると共に、入檀・入信の経緯も多様になっています。当寺檀信徒や知人の紹介、葬儀社からの紹介、霊園の紹介・仏具店または石材店の紹介、あるいはインターネットでホームページを見た等々です。
そこで問題となるのが入檀以後も、葬儀や法事の依頼を最初の紹介者を介して申し込まれることです。葬儀社や霊園から日時の問い合わせがあった場合、その日は都合つかないがこの日ならいい、一時間ずらせないかなどというやりとりが、直接できないからです。
施主さんが直に電話でお問い合わせ下さいますようお願い致します。

法話の集い

時:10月3日(月曜日)
午後1時45分より3時頃終了予定
所:善勝寺本堂
テーマ:「自らを調え、生活を調えましょう」
講師:本山布教師鮎川博道師(静岡県地持院住職)
善勝寺での開教は4年に一度です、この機会を逃さず、是非ご近所お誘い会わせせの上、御来山下さいませ。入場無料、(お供えなども無用に願います)

わかる仏教講演会

時:12月1日(木曜日)
午後2時開演
所:クレア鴻巣(市役所隣り)
テーマ:「心ゆたかに生きる」
講師: 高野山真言宗林覚乘師(篠栗南蔵院住職)
鴻巣市仏教会が主催し仏教研究会が協力して2年に一度開催している講演会です。入場は無料ですが整理券が必要になります。当寺にお問い合わせ下さい。

年末年始の行事

次号の『善勝寺だより正月号』は、1月4日過ぎ「大般若祈祷札」を同封して、お届けすることになりますので、ちょっと早いのですが、あらかじめ年末年始の行事をお知らせしておきます。

除夜(ジョヤ)

大晦日 午後11時半から除夜の鐘をつき始めます。 108つき終わるのは零時半頃になります。ゆく年の無事を感謝しつつ、来る年の平穏を祈って、心を込めてついて下さい。
振る舞い酒もあります、ご家族で多数お越し下さいませ。

修正会(シュウショウエ)と年始

正月元旦~3日 午前10時より修正会大般若祈祷を行います。
善勝寺に古くから伝わる大般若六百巻を転読し、仏法の興隆、五穀豊穣、山門並びに檀信徒各家の無事を祈る行事です。
この祈祷終了の後、書院にて年始の挨拶と致します。(午前中のみ)
一年の計は元旦にあると言います。3日間の内、ご都合の良い日に、是非ご家族お揃いでお参り下さい。
注《午後には書院での接待はありません》

編集後記

  • 昨年の秋彼岸以降年忌法要の時などに5分間静かに座っていただく時間を設けていますが、皆さん真剣に座って下さっています。
    『一日一度は静かに座って、体と呼吸と心を整えましょう』今後とも実践していきたいと思います。
  • 過去帳の戒名をパソコンに入力する作業が終わりました。法事の知らせは11月末頃別途に郵送致します。法事の申し込みはお早めに(2・3ヶ月前)直接お寺にお電話下さい。
  • すでに法要を申しこまれている方へも、一律に「年回法要のお知らせ」は郵送されます。ご了承下さい。
  • 10月1日から、川里町は吹上町と共に鴻巣市に合併します。新住所は、『鴻巣市境147番地』です。郵便番号・電話番号は変更ありません。住所録の訂正宜しくお願い致します。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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