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第57号 正月号(平成19年1月15日発行)

善勝寺だより 第57号
平成19年1月15日発行
発行責任者 明見弘道
謹んで新春のご挨拶申し上げます。
檀信徒の皆様には、良いお年をお迎えのこととお察し申し上げます。おかげを持ちまして、当寺も無事新しい年を迎えることができました。
今年のお正月は穏やかな天候に恵まれ、大晦日の除夜の鐘、また正月3ヶ日の修正会には大勢の方がおいで下さいました。
除夜の鐘には、用意したゼンザイが足りなくなるほど盛況でした。また、『修正会』にお参りいただいた皆様には、年賀の金品をお供えいただき誠に有難うございました。

今年から、年頭の挨拶は『大般若祈祷』の後本堂にて行い、書院での御神酒のふるまいはしないことになりました。車でお参りされる方が増え、たとえ少量であってもお酒は控えた方がよいとの考えであります。

また、全檀信徒の方に、郵送しておりました『般若札』も、修正会にお参りされたかたにお渡しすることに改めましたのでご了承下さいませ。
修正とは、邪を改め正しくする、という意味です。自分自身を振り返り、これまでの過ちを反省し、少しでも正しい方向に向こうという気持ちが大切です。

また一年の計は元旦にありともいいます。今年の目標を立て、その決意を誰かに話したり、書いたりするのも、お正月はとてもよい機会です。
自分だけでなく、生きとし生けるもの全ての安泰、つまり「万民和楽」「四海安穏」「五穀豊穣」 など、心から祈ることがもっと大切なことであり、それを仏教行事にしたのが『修正会』であります。また、一人一人の願いを忘れないように形にして持ち帰るのがこの『般若札』だと思っています。
来年の正月には、更に多くの方々にお参りいただき、一緒にお祈りしていただきますようお願い申し上げます。

文末となりましたが、檀信徒皆様方の無事とご多幸を心より祈念申し上げ、年頭の挨拶と致します。

平成19年正月 明見弘道合掌

今年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月21日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(月曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

年回表

壱周忌
平成18年
参回忌
平成17年
七回忌
平成13年
壱拾参回忌
平成7年
壱拾七回忌
平成3年
弐拾参回忌
昭和60年
弐拾七回忌
昭和56年
参拾参回忌
昭和50年
参拾七回忌
昭和46年
五拾遠年忌
昭和33年
今年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、法事の予定はお早めにお立ていただき、予約はFAXやメールでなく電話でご連絡下さいますよう、お願い申し上げます。

東光山ミニ法話

『般若心経』その1

摩訶般若波羅密多心経

このミニ法話のコーナー「座禅和讃」が終わったら、次は「般若心経」にしょうと決めたのはもう1年も前のことであり、多くの方にそのことを話していました。しかし、いざ書くとなると、どの本を参考にしようかと迷っているのが現状です。

インターネットの検索エンジンでで「般若心経」と入れると、ヤフーでは6万2千4百、グーでは7万2千4百、グーグルでは何と109万件もの該当あり、想像以上の検索結果となりました。また、タイトルに「般若心経」が付く現在購入可能な本を「楽天ブックス」で検索すると、377冊ありました。
本文はたった262文字しかない短いお経です。多くの方に読まれ、多くの方がそれぞれの立場で解説書を書いておられるのですが、内容を理解するにはあまりにも深遠で、容易に理解しがたいというのが真実です。
あまり難しく考えると、前に進まないので、とにかく手元にある5・6冊本を参考にして始めることとします。

まず、仏教のお経といわれるものは、「如是我聞」つまり「私はこのように聞きました」という書き出しで始まるものが通例です。般若心経の流布本(通常読まれているもの)にはありませんが「大本」は「如是我聞」から始まります。このことは、お釈迦様自身が書かれたものではないということであります。またこの般若教典はお釈迦様が亡くなられて100年後に書かれたものといわれています。だからといって教典の価値が損なわれるというものではありません。2千5百年経った今も多くの方に読まれ、次々に解説書が出版されている事実がこの教典の重みを物語っています。

般若心経の元になっているのが、「大般若経」6百巻であります。善勝寺にも江戸中期より伝わる「大般若経」6百巻があり50巻ずつ12箱に収められています。私は第1巻の『序』以外は読んだことがありません。修正会で、「大般若波羅密多経巻第何々唐三蔵法師玄奘奉詔訳」と最初の1行を大きい声で唱えた後、経本をパラパラと左右にめくりますと、読んだことになる。これを転読といいます。善勝寺では私一人ですので、1日50巻、正月3日間で150巻、4年かかって600巻転読しています。
経本をめくっているときは、般若心経最後の呪文、「ギャーテーギャーテー、ハーラーギャーテー、ハラソーギャーテー、ボージーソワカー」と唱えます。余談になりますが、来年の修正会からこのところをお参りいただいた皆様にも一緒にお唱えいだだくようにしようかと思っています。

話を元に戻しますが、大般若経600巻のエッセンスを262字にまとめたのが般若心経ですので、短いといっても膨大な情報が凝縮されていると考えて下さい。限られたこの紙面にどれだけのものを書くのがよいのか迷うところでありまが、多数の檀信徒の皆様に読んでいただきたいのが本心でありますので、学問的な深入りはさけたいと思っています。物足りないと思う方は、他の解説書を併せてお読みいただきたく存じます。

さて、いよいよタイトルの「摩可般若波羅密多心経」ですが、摩可は、摩可不思議の摩可、また、マハトマガンジーなどというマハー、インドの言葉で大きいとか偉大なるという意味です。般若は智慧、波羅密多は完成とか究極と訳されます。般若波羅密多は本文に5回も出てきますが、究極の智慧または、智慧の完成という意味だと思ってください。心経の心は肝心要というように大切な、経はそのままお経です。

ちなみに、般若というと角の生えたあの般若のお面を想像される方もあろうかと思いますが、般若坊という人が作ったというだけで関係ありません。

【護持費】のこと

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願いいたしております。
同封の「護持費納入のお願い」をお読みいただき善勝寺にご縁のある皆様、一人でも多くの方より納入いただきますようお願い申し上げます。
霊園などに墓地がある方は、納入は任意であり義務はありませんが、護持費未納の方には6月末発行の『善勝寺だより』(お盆号)から発送を止めさせて頂くこととなりますのでご了承ください。ただし、葬儀法要などの依頼には納入者と区別無く承ります。

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と100歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。
今年は大正9年生まれの方、明治41年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。

役員会議事録より

12月6日と7日、湯ノ小屋温泉「洞元莊」を会場として、主に次年度事業と予算の審議を行うための『定例役員会』並びに研修会を開催しました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告。
    今年度入檀者数、11月末までの収支に関する現状を報告。

  2. 先代石出住職の23回忌法要は春彼岸会に併せて行う。

  3. 鐘楼の下り棟の鬼瓦がずれていたので応急処置はしたが、危険なので全体を葺き替えすることとした。

  4. 平成20年春申請予定の墓地拡張 計画案、並びに墓地永代使用料改定を承認。(今年4月以降西向きの永代使用料が5万円アップします)

  5. 当寺宛各種申請書提出の際、本人署名の時は捺印省略も可とする旨、各規則・規定などの付則に加筆することを承認。

  6. 平成十九年度行事・事業計画。
    イ、行事は例年の如く
    ロ、本年度新規事業計画はありませんが、20年春の墓地拡張のための関係者に対する説明会を行う。

  7. 平成19年度一般会計予算案を承認。(特別会計はありません)

以上。

事務局からのお知らせとお願い

護持費納入に関すること

今年から境地区の方も郵便振替で納入していただくことになりました。大変恐縮ですが、役員による集金は致しませんのでご了承下さいませ。住所と名前を書いて最寄りの郵便局より納入下さいますようお願い致します。手数料はかかりません。

尚、納入期限は、3月末までです。

塔婆料に関すること

塔婆料に関する問い合わせが多くあります。今年から施餓鬼会の塔婆料は供養料と合わせて6千円になりましたが、年忌法要や、お彼岸の塔婆はこれまで通り3千円です。

編集後記

  • 『善勝寺だより』正月号をお届けします。
  • 今年から役員による護持費徴収が廃止されたことに疑問をお持ちの方もあろうかと思います。当寺役員選出は、以前のように地区選出という意味合いではありません。県外も含め広範囲より多くの方が入檀されている現状を考えると、境第1・第2、また上・下などという狭い地区からの代表という立場ではないのが当然です。古くからの檀家、新規入檀者の区別なく、善勝寺檀徒6百軒、信徒3百軒を代表する役員でなくてはなりません。役員の立場を明確にすることと、事務の簡素化のため護持費納入を郵便振替のみとさせていただきました。ご了承下さいますようお願い致します。
  • 「般若心経」に関するお勧め図書、何といっても玄侑宗久師の「現代語訳般若心経」(ちくま書房)です。また、科学者である柳澤桂子女史の「生きて死ぬ智慧」(小学館)は、美しい現代詩です。また、この2人の往復書簡は「文藝春秋」にも載っています。
  • 次号『善勝寺だより』は、3月彼岸前に発行する予定です。今年もご愛読いただきますようお願い申し上げます。
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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