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第66号 春彼岸号(平成21年3月10日発行)

善勝寺だより 第66号
平成21年3月10日発行
発行責任者 明見弘道
紅梅につづいて白梅が満開の境内です。
檀信徒の皆様に於かれましては益々ご清祥のこととお察し申し上げます。

さて、新庫裡のことですが、事故もなく無事に完成し、寺族一同(猫も犬も)2月11日に旧庫裡より引っ越し致しました。平成4年住職に着任したときには、たいした荷物はなかったのですが、以来17年間で何でこんなに増えたのか、と自分でも呆れるほど多くの物があります。不要な物はこの際処分しようとも思うのですが、時間的なゆとりもなく、とりあえず新庫裡に移すことになりました。
設計の段階では、収納スペースも十分に確保したつもりでしたが、いざ引っ越してみるとなかなかすっきりとは収まりません。あれは何処にあるの、これは何処から出したのと、まだまだ落ち着きません。

しかしながら、ムクの木と漆喰の壁、外断熱工法で建物全体がほんわか暖かで住み心地はとても快適です。リビングに植えたインド菩提樹も、ここなら手足を伸ばせるとでも言っているように、元気に芽を伸ばしています。わがままを聞いてくれた松澤設計さんと、朝早くから夜は暗くなるまで働いてくださいました吉田建築さん、また多くの職人の皆様に心より感謝申し上げます。

次に、ご近所の皆様には長期にわたる工事期間中、騒音も激しい日が多くあり、何かとご迷惑をおかけいたしましたことを、この場を借りてお詫び申し上げます。

庫裡の玄関のことですが、旧庫裡の表玄関、新庫裡の西と北側の玄関には、それぞれインターホンが付いており、どちらでも対応できるようになっています。ご来山の折りはこれらのインターホンを押してくださいますようお願い致します。

三寒四温と言います。暖かくなったと思って油断しますとまた寒さが戻ってきます、くれぐれもご自愛下さいますようお祈り申し上げます。

春季彼岸会ご案内

例年の通り、春分の日午後二時より彼岸法要を厳修致します。多数ご参拝下さいますよう、謹んでご案内申し上げます。。

来る 3月20日(金曜日)午後2時より
春季彼岸法要  了じて法話。書院にて茶礼。

彼岸法要には受付はありません、供養料、塔婆代などは前机の黒いお盆に各自お供え下さい。
また、塔婆をお建てになる方は、お墓参りされる時までに準備致しますので、お早めに電話やFAX・メールなどで、お申し込み下さいますようお願い致します。また、その際参拝日の予定もお書き添え下さると幸甚です。

東光山ミニ法話

『般若心経』その10

無智亦無得 以無所得故

「智も無く、亦得ることも無い。得る所無きが故に」

般若の智慧とは、どんなものであるか、鏡のようなものである、珠のように輝いているものだ。などと思ってしまったら、もうそれは般若の智慧ではありません。また、何もないことが分かった。これも、般若の智慧ではありません。そこで、「智も無し」と説かれています。
般若の智慧(悟り)どのようにしたら得ることができるか、得ることができたら素晴らしいだろう、などと考えたりしがちですが、受け取ったり与えたりできるようなものは悟りではなく、得ることも失うこともないのが真の悟りでなければなりません。これで分かったなどと執着し、これでいいのだと、得るところをつかんでるようではいけません。だから、「得ることも無し」と示されてあります。私たちはこうして空気の中で生きておるのでありますが、空気があることを意識はしておりません。魚は水の中におりながら、水のあることを意識しておりません。般若の智慧の真っただ中にいるということは般若の智慧も意識されません。(以上は、故山田無文老師の著書を参考にしましたが、玄侑宗久師はここのところを次のようにのべておられます)

般若とは裸の「いのち」が本来もっている生命力への気づきでもあります。「空」というのは、「私」というものを抜きにした事象の本質的な在り方なのです。それを感じる主体は自他の区別がつかない状態で全体に溶け込んでいます。
「私」が生まれる前から、「いのち」は生きていました。生まれて間もない赤ん坊でも、熱ければ手を離しますし、食べたければ口を開きます。動物の子供が母親の乳首を探す能力など本当に見上げたものです。

DNAの観点に立てば、この地球上に生命が発生して以来、三十五億年もの長きにわたって「いのち」は途切れることなく展開してきました。母親の胎内ではその歴史が個体発生として繰り返されました。
そんな「いのち」を、遅れて発生した「私」が支配しようと言うのが、土台おかしいのです。

智慧を得る、という場合の主語は、どうしても「私」になります。そうではなく、ここでいう「般若」は「いのち」そのものの力なのです。「智も無く、亦得ることも無い」ということであり、「いのち」はこれ以上得る必要がないほどに、すでに「足りて」います。「得る所無きが故に」なのです。

(最後に再び無文老師の言葉です)
この世の中には、自分のものといえるものは何一つとしてない。家も財産も、学問も技術も、自分のものではない。善悪の業さえも、全ては因縁によって、しばらく仮に自分のところにあるだけであって、自分のものであるものは塵一つない。この自分の体さえも、四大が仮に集まっておるものであって、自分のものではないのだ、と分かることが般若の智慧であります。

〈つづく〉

護持費納入のお礼とお願い

平成21年度分護持費の納入をお願い致しましたところ、早速にお納め頂き恐縮に存じます。

尚、当寺の檀徒の方、当寺に墓地(合同墓地を除く)を取得されておられる方、また、本堂内にご遺骨を預けておられる方で、護持費がまだ未納の方は、3月末日までには必ず納入下さいますようお願いいたします。
納入義務のある方で未納がある場合は、6月頃督促状を郵送する予定です。
当寺合同船、また霊園などに墓地がある方で、納入義務のないかたでも、今後当寺の檀信徒としてお付き合いくださる方々に於かれましては、是非ご納入下さいますようお願い申し上げます。
この『善勝寺だより』並びに諸行事の案内は、護持費を納入頂いた方に限らせて頂いておりますのでご了承願います。
ただ、葬儀・法要の依頼に関しては納入の有無に関係なく平等に承っておりますことを付け加えておきます。

振替用紙を紛失したので送ってほしいという方もありますが、再送致しません。振替用紙は郵便局の窓口にもあります。但しこの場合の振り込み手数料は納入者側になります。

会計 岩間和夫
振替口座番号は00500-8-60592 善勝寺

事務局からのお知らせとお願い

  • 2月より仕出し料理「鈴幸」のメニューがリニューアルされました。釜飯・朴葉焼き・ビーフシチューや中華など今までなかったメニューも加わり、バラエティーに富んだものになりました。今後ともご愛顧下さいませ。
  • 檀信徒の皆様で、住所の変更や電話番号の変更などありましたらその都度お知らせ下さいますようお願いいたします。また、携帯電話の番号もお知らせ下されば登録いたしたく存じます。
  • 前回の4コママンガの中で木魚が早すぎるは、「速すぎる」の過りでした。因みに、あの場面は、金剛経と言って、ながーいお経を読んでいるところです

妙心寺のこと その2

前々回、妙心寺の伽藍のことを書きました。今回は妙心寺が造営された経緯、花園法皇様に関して述べることとします。

12歳で即位された花園天皇は、分保2年(1318)22歳の若さで後醍醐天皇に位を譲られました。時代は南北朝の動乱の時であります。
その後は学問や禅に心傾けられ、建武2年(1335)に剃髪し、花園の離宮に隠棲されました。法皇は大燈国師(大徳寺開山宗峰妙超禅師)に深く帰依され、離宮を禅院に改め、大燈国師から正法山妙心寺という寺号を与えられました。
大燈国師が亡くなられた後、国師に推薦された関山慧玄禅師(無相大師)を開山に迎え、妙心寺が創建されたのであります。
(次回は、妙心寺開山「無相大師」様のことを書くことと致します)

本山団参のこと

本年10月17・18日の本山参りの件ですが、まだ若干名参加できる空きがあります。ご希望の方はお問い合わせ下さい。また、参加申込者に対しましては、5月頃、持ち物・日程表など 郵送いたします。

お知らせ

4月1日よりバス路線が変更になります。これまでフラワー号は循環しており、左回り・右回りと言っていましたが、4月からは、ふるさと館で折り返すことになります。鴻巣駅から善勝寺にお越しの際は、共和コース「ふるさと館」行き、「花久の里」行き、または「北根新田」行きなどにご乗車下さい。時刻表も全面改訂され、運賃も150円になります。

鴻巣駅での乗り場は、今まで通り、東口のバスターミナル4番ですが、共和コース以外も、ここから出ますので、コースと行き先を確かめてご乗車下さい。

尚、鴻巣駅と善勝寺発着に関する新時刻表を同封いたします。

編集後記

  • 『善勝寺だより』春彼岸号をお届け致します。
  • まだ何となく引っ越しの疲れが残っているような気がしています。
  • 来年度こそは、特別な事業は行わず、通常の法務に専念しつつ、じっくり充電する一年にしたいと思っています。とはいうものの……。
  • 本山発行の冊子に「蒔けよまけ、仏の種も彼岸から」という句がありました。充電と称して、何もしないでただ休んでいるのというのでは、何の芽も出ません。
  • こういう時にこそ、じっくり足下を見つめて、しっかりと種蒔きをしておかねばとも思う、今日この頃です。
  • 次回お盆号は、7月の初旬発行予定です。施餓鬼会、お盆に関することは、次号『善勝寺だより』をお読み頂いた後にお問い合わせ下さいますようお願い致します。

弘道
埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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