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第69号 年末号(平成21年12月25日発行)

善勝寺だより 第69号
平成21年12月25日発行
発行責任者 明見弘道
今年も余すところあとわずかとなりましたが、檀信徒の皆様には、如何お過ごしでしょうか。
『善勝寺だより』年末号をお届け致します。
12月3日の、クレア鴻巣にて開催の「わかる仏教講演会」には、雨の中多数ご来場下さり、誠に有り難うございました。
今回は、鎌倉円覚寺の『足立大進管長猊下』を講師にお招きしての講演会でした。我々臨済宗の僧侶は管長猊下の接待係ということで皆さんにお会いすることはできませんでしたが、善勝寺の関係者は70人以上ご来場いただいたものと思われます。全体数で700人の内の一割ほどが当寺の檀信徒と言うことで、鴻巣市仏教会の内でも、信仰に関して熱心な方が多いと言うことで有り難く思う次第です。

私はステージの裏で拝聴していましたが、かなり重厚なお話であったように思います。
人生は思った通りには進まない。レストランで3千円のコースを注文すれば3千円のコースメニューが最後まで出てくる。5千円のコースを注文すれば5千円の料理が決められたとおりに次々に運ばれます。だが、人生はそうはいかない。想像だにしなかったことが次々に起こります。そこで即今・只今を大切に生きなくてはならないということを話され、「有り難たい」「もったいない」「お気の毒に」の気持ちを持ち続けましょう。というようなことであったかと思います。

でも、我々は「有り難い」ことを当然と思い、「もったいない」ことに不平不満を言い、他人の「お気の毒」に対し心から共に悲しむことをしない生活をしているのではないでしょうか。
もう一度、「有り難い」「もったいない」「お気の毒に」この三つの言葉の意味をよく吟味し、自分自身の心からの言葉にしたいものです。
仏教の究極はこの3つの言葉にあるとも話されました。

文末となりましたが、今年の皆様方のご厚情に感謝しつつ、来年も、檀信徒皆様にとって、良いお年でありますよう、心よりご祈念申し上げます。

明見弘道合掌

来年の行事

修正會
正月元旦より3日間
涅槃會
2月15日
春彼岸會
3月21日(中日)
降誕會
4月8日
開山忌
8月1日
施餓鬼會
8月13日(金曜)
秋彼岸會
9月23日(中日)
達磨忌
10月5日
成道會
12月8日
除夜
大晦日

平成22年正当年回表

壱周忌
平成21年
参回忌
平成20年
七回忌
平成16年
壱拾参回忌
平成10年
壱拾七回忌
平成6年
弐拾参回忌
昭和63年
弐拾七回忌
昭和59年
参拾参回忌
昭和53年
参拾七回忌
昭和49年
五拾遠年忌
昭和36年
来年、年回が当たっておられますお宅には、すでに法事の知らせを郵送致しておりますが、
法事の予約は3ヶ月前の1日から受け付けております。ご希望の日時が決まりましたら、お電話にてお問い合わせ下さい。

東光山ミニ法話

『般若心経』その13

三世諸仏
依般若波羅密多故
得阿耨多羅三藐三菩提

三世は過去・現在・未来ですから、三世諸仏とは、過去に悟りを開いた人、現在の悟りを開いた人、未来に悟りを開く方、と言う意味になります。
十方三世一切諸仏、とも言います。仏教で言うところの仏様は過去現在未来あらゆる所におられます。これらの方々がお悟りを開かれたのは、それは般若の智慧によるものであります。

阿耨多羅三藐三菩提は、アヌッタラーサムャクサンボーディの音写語です。
アは、ヌッタラーは、サムは、ミャクは等、サンは、ボーディはです。つまり無上正等正覚と翻訳され、この上なく正しく平等な悟りの世界に入っている(得ておられる)のである。という意味になります。

無文老師の本には、「無上はこの上ないということでありますから、言い換えるならば尊厳なということであります。正等は正しく等しいということ、皆等しくなるということですから、これは普遍的ということであり、皆が平等に持っておると言うことであります。正覚は人格ということになりますから、阿耨多羅三藐三菩提とは、尊厳なる普遍的人格ということになりましょう。」と結論付けておられます。

この「阿耨多羅三藐三菩提」は、お経によくでてきます。観音経も「阿耨多羅三藐三菩提心」が最後の言葉です。
耨多羅三藐三菩提の心を得ることは、人生の究極の目的であります。
「人生の目的は人格の完成にある。人間が生まれてきたのは、自分を完成するためだ。自分の最大価値を発揮することだ」と、これはしばしば言われることです。学問をしたり、仕事をして金を得たり、結果的に社会的な地位ができるのも、目的ではありません。手段であったり、枝葉のことです。
目的は人格の完成にあると気が付けば、これは誰にでもできるということになります。金がなくても、肩書きがなくても、学問がなくても、病気で床に伏せていても、その気になれば、いかなる立場に於かれても、誰でも、何処ででもできるわけであります。

禅宗は座禅など難行苦行の修行して、『自力』で悟り(人格の完成)を得る教えで、浄土門は、自分のはからいを捨てて、念仏を唱えれば阿弥陀様が救ってくださるという『他力』の教えだ、などと思われがちですが、禅宗でも自力で悟るなどとはいいません。自力・自我を捨てて無心になること、本来自分の持っている本性を発揮することが禅というものであります。つまり、人格はこれから完成するのではなくして、生まれた時に完成されておるものだとわかることが禅ということです。だから、「衆生本来仏なり」と言われるのであります。

「赤子の心にならなければ天国には入れない」と聖書にもありますが、
一休禅師は、
「おさな子がしだいしだいに知恵 づきて、仏に遠くなるぞ悲しき」
とうたっています。

生まれた時の赤子の、あの無心な心が仏の心である、無心にただニコッと笑っている、あの赤子の心が、われわれの本当の生まれついた心でありましょう。その無心をわれわれは失ってしまったのだ。
近代思想というか西洋思想は、自我の確立と言うことを言います。しかしこれは一つの過渡的な道程であり、決してこの自我を主張することが、最高のものだとは考えられません。自我を捨てて、そこに誰しもに具わっている尊厳な自己を発見する。これが無上なものでありましょう。

そこでこの耨多羅三藐三菩提の心、生まれたままに持っておる仏の心、無心の心に立ち返りさえすれば、人格はすでに完成されていたのだと悟らせてもらえばそれが仏様であります。その無心になることが般若波羅密多でありますから。十方三世一切の仏が、耨多羅三藐三菩提の心を得ることができたのは、般若波羅密多に依るが故に、であります。そこで「般若波羅密多は諸仏の母」と昔から言われています。

〈山田無文老師の著書などを参考・引用しました。〉

(つづく)

花園会のコーナー

米寿・百歳の方はお申し出下さい

花園会員(檀徒とその同居の家族の方)で米寿(数えの88才)と百歳をお迎えの方には本山の管長様からお祝いの手紙に添え記念品(輪袈裟)が頂けます。
平成22年は、大正12年生まれの方、明治44年生まれの方、またそれ以上でまだ受けておられないかたがその対象となります。
対象者がおられましたらご連絡下さい。当寺で手続きいたします。
6月までにお申し込みいただければ施餓鬼会に皆様の前で授与できます。

平成22年度護持費納入の件

この護持費は、当寺を護持するため、檀信徒全員が平等に負担するとの趣旨でお願い致しております。
同封の「護持費納入のお願い」をお読みいただき善勝寺にご縁のある皆様、1人でも多くの方より納入いただきますようお願い申し上げます。
毎年、振替用紙をなくしたので送ってほしいという方があります。納入期限は、3月末日となっていますが、まだ先だと思わないで、早めにお振り込み頂ければ有り難いのですが……。
ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

役員会議事録より

12月18日午後5時から、善勝寺書院に於いて、主に次年度事業と予算の審議を行うための『定例役員会』を開きました。
以下審議・決議内容を報告します。

  1. 現状報告。
    イ、書院玄関拡張工事終了の件。
    ロ、G区墓地区域を普通区画として分譲開始すること。
    ハ、永代供養合同墓「東光山合同船」第4基目を建立する件。
    ニ、今年度入檀者数、11月末までの収支に関することなど現状を報告。

  2. 平成22年度行事・事業計画。
    イ、施餓鬼会のこと。
    ロ、大玄関・位牌堂(第二本堂)・回廊の建設に関すること。

  3. 平成22年度一般会計予算案を原案通り承認。

以上。

ご案内

除夜の鐘と修正会

『除夜の鐘』は、11時半から撞き初め、108撞き終わるのは0時半頃です。行く年に感謝し、来る年の無事を祈って心を込めて撞いて下さい。撞き方のコツですが、強く打つのではなく、軽く引いて撞木の重さでそっと撞くといい音になります。
観音堂に、団子入りの善哉と、お酒などの用意があります。

正月元旦から3日まで、午前10時から『修正会』大般若祈祷を行います。檀信徒皆様の1年の無事を祈ると同時に、五穀豊穣・世界の平和を皆様と共に願う行事です。お参り下さった方には、「般若札」と年賀の品(プチおせち)、ポスターを差し上げています。3日間の内で、都合のよい日、午前10時までにお参り下さいませ。

編集後記

  • 善勝寺だより』年末号(69号)をお届けします。
  • 境内を犬と共に散歩していましたら、はや蝋梅が咲いておりました。とて も良い香でしばらく立ち止まっていました。
  • 書院(客殿)玄関の拡張工事が終わり、木の香りがするすてきな玄関になりました。玄関の戸には大きなガラスが入っています。静かにソォット締めて下さい。
  • 妙心寺の管長さんは、「葬儀というものは、亡くなった人に代わって遺族がお世話になった皆さん方へのお礼をする儀式だ」と言われました。家族葬がはやりの昨今ですが、一考に値する言葉だと思いました。
  • 次号『善勝寺だより』は、3月彼岸前に発行する予定です。
  • では、良いお年をお迎え下さいませ。

埼玉の永代供養、墓じまいのご相談は善勝寺
〒365-0013
埼玉県鴻巣市境147
TEL.048-569-0810
FAX.048-569-2294
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