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善勝寺だより

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善勝寺だより 第82号

平成25年3月4日発行
発行責任者 明見弘道
(2ページ)
善勝寺だより第70号

東光山ミニ法話

 『法句経(ダンマパダ)』その9

  さとれるもの(仏)と
  真理(まこと)の法(のり)(法)と
  和合(ひじり)の集まり(僧)とに
  帰依するものは
  正しき智恵をもって
  四つの聖なる真理を見る

           190(友松圓諦訳)

仏法僧のことを「三宝」と言います。従って、三宝に帰依する者は正しい智恵を得て、真理を見ることになる。という意味ですが、この三宝に三通りの解釈があります。
 お釈迦様が在世当時、ほとけ様と言えばお釈迦様です。仏陀(ブッダ)は覚者、つまり悟りを開いた方ですので他に幾人もおられたのでしょうけど、お大師さんというと、弘法大師、黄門様と言えば水戸光圀が代表されるように、仏様と言えばお釈迦様のことでありました。
 そのお釈迦様が自分で悟ったことについてみんなにお説き下さる説法が法でした。
 そして、その教えに従ってみんなが出家し僧伽(さんぎや)という集団を作って修行をする。それが僧ということでありました。お釈迦様は、人間の目の前に現れた仏でありますから、「現前三宝」と言います。
 ところが、お釈迦様がお亡くなりになりますと、お釈迦様の姿は見えなくなってしまったわけですから、これを何とか後世に伝えていきたいとの思いから、仏像が描かれたり、彫刻されるようになりました。それと同時にお釈迦様がお説きになりました法は、教典という形として伝えられることになったのです。
 また、その教えに従って生きる人々出家した人達を僧というようになりました。これを「住持三宝」と言います。住持は持ち続けると言う意味で、寺の住職のことを住持とも言いますが、寺に住むという意味ではなく、仏法を持ち続けるのが住持と言うことであります。
 三つ目は、「一体三宝」と言います。仏と法と僧と三つに分けてはいるけど実は全く一体のものである。一体のものを三方面から解釈しただけのものでありますから、一体三宝というのです。お釈迦様が悟られた宇宙の根本の真理でありますから、時代がどのように変わろうとも、場所がどのように変化しようとも全く変わることのない永遠の真理であります。禅ではこのことを「仏心」とか「一心」などといっています。
また、「大いなるいのち」と言うこともあります。
私たち一人一人のいのちには限りがありますが、大いなるいのち(三宝)には限りがありません。三宝に帰依することは、三宝になりきること、一つになることです。
帰依は帰命(きみよう)ともいいます。限りある私たちの命が、大いなる命と一つになれば人としての最高の喜びとなり、そこが浄土と言われるところであります。
本来この浄土とは、死後の世界ということではありませんが、お葬式の時の位牌にも、大いなる命(三宝)と一体となると言う意味で、新帰真、または新帰元と書きます。

〈つづく〉
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