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善勝寺だより

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善勝寺だより 第65号

平成20年12月25日発行
発行責任者 明 見 弘 道
(2ページ)

東光山ミニ法話

 『般若心経』 その9

 

 無苦集滅道

お釈迦様は菩提樹の下で七日間の座禅をされ、12月8日の朝、明星を見てお悟りを開かれたと伝えられております。

2,500年前、お釈迦様が実際に座っておられたという菩提樹はその後、老木となり枯れてしまいますが、スリランカの寺院には、その木の種で育った菩提樹がありました。そこで、その木の種を同じ場所に植え、現在30メートほどの大木になっています。

この菩提樹そのものが信仰の対象であり、ここはブッダガヤ(ボーダガヤ)という地名となり、仏教四大聖地の一つであります。ここには、日本を始め、タイ、チベットといった各仏教国の寺院が多く建てられており、大勢の人々がお参りしています。

実は、善勝寺にあるインド菩提樹、このブッダガヤの菩提樹の種から育ったもので、2,500年前の元々の木から言うと、4代目つまり曾孫に当たります。

平成3年、ブッダガヤでの法要の引き出物がこの菩提樹の種でして、私の友人が日本で育てて、平成4年私の晋山(住職になって入寺すること)の祝いにと言って小さな苗をくれました。その後徐々に大きい鉢に植え替え、冬は室内に入れ大切に育ててきました。この4、5年はフォークリフトを使って車庫の中に移動し、冬中暖房していましたが、これにも限界があると考え、今建設中の庫裡の内に植えることにしました。この部屋は日当たりが良く、吹き抜けになっていますので6、7メートルまでは成長してくれるものと思います。

余談が長くなりました。話を元に戻すことにします。お釈迦様は、お悟りの内容を修行の仲間であった、5人の比丘にお話しされました。場所はサルナート(鹿野苑)と言われるところで、ブッダガヤから200キロほど離れております。

こでの説法を「初転法輪」と言い、そこで話された内容が、『四諦』と前回解説いたしました『十二因縁』であったとされ、仏教の始まりであります。

今回は『四諦』、四聖諦とも言い4つの真理です。

善勝寺だより第65号第1が苦聖諦。人生は苦であるという真理。肉体的な苦、精神的な苦、思い通りにならないと言うことも苦という漢字で現されています。人生は苦であると徹底的に諦める(明らかにする)ことが第一の真理であります。

2番目は集聖諦。人生の苦悩はどこから来るのか、様々な縁が集まって苦の原因(無明)を作っているのだという真理。

3番目は滅聖諦。苦の原因と作っている無明を滅することによって、苦悩から解放されることが出来るという真理。

4番目は道聖諦。苦が発生する原因である無明を滅するための方法として『八正道』というものを示されました。

正しい見方(正見)、正しい思考(正思惟)、正しい言葉(正語)、正しい行為(正業)、正しい生活(正命)正しい努力(正精進)正しい憶念(正念)、正しい禅定(正定)。

以上が四諦八正道と言われるもので、仏教の基本とされているのですが、般若心経では『無苦集滅道』とあり、四諦を否定します。これは『空』を徹底的に見極めた、あるいは般若の智慧と言う立場から見ると、と言う前提があってこその表現であります。

(つづく)
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